コンテンツ文化史学会2011年大会「オタク・ファン・マニア」のお知らせ(第1報)

コンテンツ文化史学会では、来る12月3日(土)、4日(日)に第3回大会「オタク・ファン・マニア」を開催いたします。こちらは事前に参加登録を行う予定です。準備が整いましたら、お知らせいたします。

○趣旨説明

本学会は、2009年度に第1回大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」、2010年度に第2回大会「拡大するコンテンツ」を開催した。プロ・アマチュアなどを問わず変貌するコンテンツの創作状況や発表・交流の「場」、さらには研究者自身の方法論的問題をテーマとし、同時代的なコンテンツ作品およびそれに関連する文化的状況についてのシンポジウム・基調講演・自由発表がおこなわれた。
2回の大会は、それぞれ創作者や創作の場に関する研究の成果が報告された。これに対し、第3回大会は、「オタク・ファン・マニア」と題し、消費者や評価者の歴史や文化、こうしたユーザー・コミュニティがコンテンツ文化や産業に果たした(果たしている)歴史的・社会的役割などをテーマとした第3回大会を開催する。デジタル技術の発達と集合知の集積に伴い、個人の情報創出・発信力は著しく高まり、コンテンツの価値や意味の創出に、受け手側が参与する傾向が強まっている。こうした社会的状況における、オタクやファン、マニアたちの多種多様な活動、たとえば、同人誌即売会やニコニコ動画での作品発表、聖地巡礼、コスプレなど――をどのように学術的に分析するか。本大会では、会員をはじめとする研究者たちによる活発な発表と議論を歓迎する。

【概要】

○大会テーマ:

「オタク・ファン・マニア」

○開催日:

2011年12月3日(土)・4日(日)

○場所:

東京大学工学部2号館92B教室

○タイムスケジュール

12月3日(土)
<自由論題>
10:00-10:40 玉井建也(東京大学)・吉田正高(東北芸術工科大学)「1970年代初頭の自主制作アニメの取り組みと文化的状況―『つるのすごもり』に着目して―」
10:40-11:20 花岡敬太郎(明治大学大学院)「戦後ヒーロー像の変遷に見る、日本人の「戦争」への問題意識―『ウルトラマン』『仮面ライダー』を中心に―」
<テーマ発表>
11:20-12:00 池田拓生(首都大学東京大学院)「観光者創造観光における観光者の主体性」
13:00-13:40 牧和生(青山学院大学大学院)「オタク文化における共感という解釈について」
13:40-14:20 永田大輔(筑波大学大学院)「「第三のメディア」としてのOVAとオタク―八十年代のアニメ雑誌から」
<シンポジウム>
14:40-17:00 「『東方Project』が可能にしたもの――プラットフォームとしての<東方>」(仮)
登壇者現在調整中
12月4日(日)
<テーマ発表>
10:00-10:40 七邊信重(東京工業大学)「日本のマンガ/ゲーム産業の比較制度分析――インディーズとメジャーの分業関係に注目して」
10:40-11:20 三宅陽一郎(IGDA日本)「日本のアニメーションにおける人工知能の描かれ方」
11:20-12:00 中川譲(日本映画大学)「「オタク」の用いられ方についての量的調査―新聞記事を題材に「オタク」の大衆化を考える―」

<シンポジウム>

13:30-17:00 「オタクである覚悟」
登壇者(発表順):
・宇田川岳夫(フリンジカルチャー研究家)
・永山薫(漫画評論家、作家)
・三崎尚人(同人誌研究家、まんが評論家)
・伊藤剛(漫画評論家、東京工芸大学准教授)
司会:吉田正高(東北芸術工科大学)

○2011年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:玉井建也(東京大学)
顧問:出口弘(東京工業大学)
委員:井上明人(国際大学)
委員:大橋正司(東京大学院)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:研谷紀夫(東京大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学院)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:七邊信重(東京工業大学)
委員:堀内淳一(学習院大学)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)