論文を読む:その3

気がついたら9月になっておりました。ブログのほうもご無沙汰しておりますが、適宜、更新を重ねていきます。多分、中身はないですが。それはともかく「論文を読む」コーナーも3回目。コーナーなんて作るのではなかったという後悔も覚えつつ3回目です。3回で終わるとカッコ悪いですよね。うん。

  • 山里裕一「迷える「アニメ」大国–振興施策としてのアニメ博覧イベント」(福間良明、難波功士、谷本奈穂編『博覧の世紀 消費/ナショナリティ/メディア』梓出版社、2009)

最近、読んだ論文です。広島地域で行われているアニメイベント「広島国際アニメーションフェスティバル」と「広島アニメーションビエンナーレ」を取り上げ、国や県の施策、同イベントに参加した人々のブログ記事などを分析しております。特に国・県・イベントが想定するアニメファン=家族・子供だけではなく、いわゆる「オタク」とされる人々の存在もあることでアニメファンが一枚岩ではなく、「得体の知れない文化に対して、国・地域は振り回されている感は否めない」(本書206ページ)とし、単にアニメイベントを行うことへのその危険性を指摘しています。

多分、このことはオタクの人であれば、十分に実体験で感じ得ていることではないでしょうか。「サザエさん」や「ドラえもん」を見ている人と「涼宮ハルヒ」を見ている人を同じアニメファンと単純に括ってしまうことは確かに危険なことだと思います。しかし、それ以上に面白かったのは、広島尾道を舞台にしたアニメ「かみちゅ!」が広島ではオンタイムでは放送されていなかったこと。私個人も地方出身なので、この感覚は体感しているわけですが、単純にアニメ文化というものも一面的ではないということです。それにしても「かみちゅ!」は後から放送されていたような気がしますが、気のせいでしたっけ?

博覧の世紀 消費/ナショナリティ/メディア

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