大会へ向けて4:発表要旨が出ました。

昨日のtwitterでのラピュタTLはすごかった!終わったあとのbuzztterも・・・皆さん、どれだけムスカが好きなんだと・・・。

それはともかく発表要旨が発表者から届きましたので公開となりました。まずは樺島さんですが「メディアの違いに関わらずコンテンツ産業には共通の構造」があり、「個人制作コンテンツが興隆する条件」を明らかにするということです。樺島さんが書かれた論文(「ポピュラー音楽におけるインディーズの成立」『コンテンツ産業論』東京大学出版会、2009年)を見ますと、インディーズの歴史的過程を踏まえながら、例えばモンゴル800が200万枚を越えるヒットを飛ばしたその背景を探っています。

そこには新規参入の機会があること、アーティスト・消費者がインディーズの様々な情報をスムーズに得ることが出来るようになったこと、流通プラットフォームがあること(タワレコなどに行くと普通にインディーズのCDが買えますよね!)、アマチュア個人で賄える音楽活動の費用(機材も安くなりました!)という4つの点にあるとしております。

しかし、樺島さんも述べているようにネットでの状況の変化というものがモンゴル800の大ヒットのときからですら今は違っています。特にiTunesなどのメジャー・インディーズの垣根がなくフラットに販売している媒体があること、さらにはマイスペースなどのインディーズ・アーティストが活動発表となるプラットフォームが出来上がったことの2点が大きな変容といえるでしょう。

では、これでインディーズとメジャーの垣根は完全になくなったと言えるのかどうか。たとえば斉藤和義のようにライブハウスにデモテープを送って、アマチュア活動を開始し、その後、プロミュージシャンになったようなキャリアパスを経験しているものと、マイスペースなどで活動しインディーズでCDを出し続けるものとは同じと捉えることが出来るまでになったのか。たむらぱんのようにマイスペースで話題になり、そのままデビューしたものとは違うのか。特に最近、スターダストレビューや矢沢永吉のように大御所・ベテランでありながらもインディーズで活動するミュージシャンも出てきました。様々な環境が変化している中、学問としてどう捉えることができるのかは疑問の一つです。

しかし、今回は音楽というだけではなく、様々なジャンルを考察するということです。先日、発表された論文(「個人制作コンテンツの興隆とコンテンツ産業の進化理論」『情報学研究 東京大学大学院情報学環紀要』77号、2009年)を皆さん、事前に読みましょう。PDFがこちらで公開されています。そして読んで、参加登録しましょう。

コンテンツ産業論―混淆と伝播の日本型モデル