2009年大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」発表要旨(11/24追記)

11月28日(土)に開かれます2009年大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」にご登壇される方々から、発表要旨が届きました。

ご興味がございましたら、ぜひともご参加ください。

開催概要
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樺島榮一郎(東京大学)「コンテンツ産業の歴史から見るアマチュア文化の成立要件」

本講演は、変化が激しい今後のコンテンツを考える上で一定の指針となる概念的フレームワークを提供することを目的とするものである。経済学および歴史の視点から見ると、メディアの違いに関わらずコンテンツ産業には共通の構造があり、技術進歩や業務ごとの効率追求などが原動力となって、時間の経過とともに共通した方向に進化することが明らかとなる。個人で制作するコンテンツの成長は、この進化の理論から説明できる。さらに、個人制作コンテンツが興隆する条件を明らかにし、個人制作時代のコンテンツ・ビジネスの類型を提示する。

七邊信重(東京工業大学)「同人ゲームにみる表現の多様化と人材育成」

同人ゲームとは、主にアマチュアによりパソコン用に制作され、コミックマーケットのような同人誌即売会、インターネット、委託販売ショップなどで頒布・販売されているゲームのことである。近年では「月姫」「ひぐらしのなく頃に」「東方Project」のように、50万本以上の売り上げを記録しメディア展開される作品が登場する一方、制作者や少数ユーザーのニーズを満たす、多様で独創的なオリジナル作品が、商業ゲーム業界の「外」で次々と制作されている。本研究では、同人ゲーム制作の特徴、これを可能にする社会経済的条件、およびここから多様な表現・人材が生み出されている要因について、インタビュー調査と質的データ分析に基づき社会学的な解明を試みる。

中村仁(東京大学)「ファッションにおける自主創作と流通」

本講演は、ファッションデザインの創作活動について、絵画・音楽等の芸術と、コミック・ゲーム等のコンテンツの2種類との比較の視点から考察する。ファッションデザインの分野では多くの自主創作活動が行われているが、目に見える形としては低調であるといわざるを得ない。これは、発表のための「場」の供給が少なく、参入障壁も高いことがその理由と考えられる。一方で、コミック・ゲーム等は自主創作物の流通基盤がファッションと比較して非常に整備されており、「場」の供給はもはや把握できない規模となっていると考えられる。なぜファッションの世界ではこれまでこのようなブレークスルーが発生しなかったのかという点と、このような活動に行政が担うことができる可能性を中心に扱う。

また有馬啓太郎さんのサイトにて下記のように述べられております。

私はクリエイターの立場としてまず第一にプロとアマチュアとは何が違うというのか?という点についてくっちゃべってこようと思っています。  そういった認識に統一性がないと話が成り立たなくなるのでその辺りをつっこんでみようかなと。
http://www.yeah.ne.jp/~waruwaru/2009/11/2009.html

→11月24日、中村仁さんの発表要旨を追加いたしました。