【当日について】コンテンツ文化史学会2023年度大会

3月9日に行われるシンポジウムと10にちに行われる巡見についての諸注意です。

【3月9日について】


対面の方★
受付は13:00からとなっております。
皇學館大学4号館3階の431教室へお越しください。
資料については受付でお渡しします。

皇學館大学の教職員、学生、院生は受付で皇學館大学の関係者である旨をお伝えください。
※服装は自由です。

オンラインの方
ZOOMの入室は13:15からとなっております。
当日はZOOMを録画し、後日配信いたしますので、表示されても良いお名前にご変更してから入室してください。

当日の資料はチャット欄で配布いたしますので各自ダウンロードしてください。
総合討論前の質問についてはチャット欄で募集いたしますので、よろしくお願いいたします。
なお、当日の録音、録画、スクリーンショットについては禁止いたします。

【3月10日について】
★巡見ご参加の方★

10時に伊勢市駅(JR側)集合です。
外宮へ移動、参拝ののち、バスで内宮へ移動し、御神楽、御垣内参拝を行います。
12:30ごろ 宇治橋前解散予定です。
なお、当日は春休み期間中のため、御垣内参拝の順番をお待ちいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

服装について
男性:スーツ、ネクタイ、革靴
女性:男性に準じる格好(スーツ、ジャケット、パンプス)
※内宮は足元が悪い場所が多いので、スニーカーの場合はなるべく黒色のカジュアル過ぎないお履き物でお願いします。
服装基準が満たせていない場合は参拝ができないことがあります。ご了承ください。

【訃報】 学会誌イラストを長年描いていただいた吉田麻子さんが亡くなりました

コンテンツ文化史学会誌のイラストを長年描いていただき、学会委員でもありました、イラストレーター吉田麻子さん/こさささこさんが、2021年12月15日に亡くなりました。
生前のご厚誼に深く感謝し、謹んでお知らせ申し上げます。葬儀はご親族のみで執り行われました。

コンテンツ文化史学会2021年度大会につきまして

来る11月27日(土)にコンテンツ文化史学会2021年度大会を開催いたします。

開催形式:オンライン(Zoom)

会員・非会員を問わず参加可能です。参加登録はこちら

※2021/11/19 シンポジウムコメンテータを一部追加しました。

※2021/11/25 シンポジウムコメンテータを一部修正しました。

タイムテーブル

自由論題報告(13:10~14:40)

13:10-13:40 岡本健(近畿大学)

「アニメツーリズムの歴史的展開―政策・ビジネス的注目、および、アニメ聖地の増減と地理的変遷から」

13:40-14:10 劉茜(早稲田大学)

「中国におけるキャラクターのコミュニケーション・ツール的受容 ―「羅小黒戦記」を例に」

14:10-14:40 山中智省(目白大学)

「ライトノベルという出版メディアの確立 ―1990年代の電撃文庫の様相から―」

※予稿集は後日、PDF形式で配布いたします。

シンポジウム「ボードゲーム文化とその可能性」(15:00~17:20)

 コロナ禍の現在、人と人のコミュニケーションの重要性が見直され、対人コミュニケーションの一環として、ボードゲームに注目が集まっている。ボードゲームが遊べる場所として、カフェやコミュニティスペースなどにも広がり、ゲームの内容も、もはや「ボードゲーム」という名称が単なるゲーム板を用いた卓上ゲーム全般を指す言葉以上のものとして用いられつつあるといえる。

 コンテンツ文化史学会ではこれまで、何度かデジタルゲームに関するシンポジウムが行われてきたが、ゲーム文化のもう一つの側面である、ボードゲームに関しては十分な検討が行われてこなかった。

 本シンポジウムでは教育・文化活動の中で、ボードゲームと触れる機会の多い方々に、その実践についてお話しいただき、現役学生も含めたディスカッションの中から、ゲームの可能性について考えていきたい。

パネリスト

1.山中麻未(ボードゲームデザイナー)「ボードゲーム製作の背景  ー5年間の活動と製作記録ー」

2.高倉暁大(ゲーム司書/日本図書館協会認定司書(1169号))

コメント

・柳原伸洋(東京女子大学)「パブリック・ヒストリーの観点から」

・大槻悠乃ほか:テーブルゲーム研究会(日本獣医生命科学大学)
・卓上ゲーム同好会(東京女子大学)


司会進行:岡本健(近畿大学)

「NHK番組アーカイブス学術利用トライアル」2021年度後期募集(8月6日締切)のお知らせ

NHK番組アーカイブス学術利用トライアル事務局様より情報をいただきました。こちらの件に関するお問合せは本学会ではなく、下記のサイトよりお願いいたします。


NHKでは、NHKアーカイブスの保存番組を研究用に利用していただくトライアルへの参加研究者を募集しています。

公募で採択された研究者は、東京ではNHK放送博物館・川口 NHKアーカイブス、大阪ではNHK大阪放送局の専用閲覧室で、ご希望の番組を研究用に閲覧することが出来ます。

  • 2021年度後期閲覧期間  2021年10月~2022年3月 (1組 30日間まで利用可)※コロナ感染防止のため閲覧が延期・停止になる場合があります。
  • 募集対象者      大学または高等専門学校、公的研究所に所属する職員・研究者、大学院生
  • 募集締め切り     2021年8月6日
  • 募集研究数      放送博物館(6組)・川口 NHKアーカイブス(4組)・大阪放送局(2組)

応募要項等詳しくは、以下のホームページをご覧ください。

http://www.nhk.or.jp/archives/academic/

「NHK番組アーカイブス学術利用トライアル」2019年度第4回募集(9月30日締切)のお知らせ

NHK番組アーカイブス学術利用トライアル事務局様より情報をいただきました。こちらの件に関するお問合せは本学会ではなく、下記のサイトよりお願いいたします。

★「NHK番組アーカイブス学術利用トライアル」2019年度第4回募集 

NHKでは、NHKアーカイブスの保存番組を研究用に利用していただくトライアルへの参加研究者を募集しています。

公募で採択された研究者は、東京ではNHK放送博物館・川口 NHKアーカイブス、大阪ではNHK大阪放送局の専用閲覧室で、ご希望の番組を研究用に閲覧することが出来ます。

○第4回閲覧期間  2019年12月~2020年2月 (1組 20日間まで利用可)
○募集対象者      大学または高等専門学校、公的研究所に所属する職員・研究者、大学院生

○募集締め切り     2019年9月30日
○募集研究数      放送博物館(6組)・川口 NHKアーカイブス(2組)・大阪放送局(3組)

応募要項等詳しくは、以下のホームページをご覧ください。

http://www.nhk.or.jp/archives/academic/

コンテンツ文化史学会2015年度大会「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」に向けて(その2)

2年間のブランク期間にあったことで学会として一番大きいこととしては、もはや専属イラストレーター的なポジションに位置しているこさささこさんが倒れられたことでしょう。単にイラストレーターとしてではなく、実は組版も担当されていたので本学会の編集機能はすべてがストップしたのでした。私が暇であったのならば、まだ何とかできたでしょうが、そのときは新しい職場で仕事をしているだけで精いっぱいで、ただ時間と物事が過ぎていくだけでした。こさささこさんは数か月もの間、意識を失われていたので、大変心配をしておりましたが、こうやって学会のポスターがあがってくるだけで感激の一言に尽きます。

さてそのような2015年度大会ですが、2日目には企画シンポとして「コミケットの未来・同人ソフトの未来2016」がまずは行われます。これは昨年の3月に行われたコミケットスペシャル6で行われた「コミケットの未来・同人ソフトの未来」の続編的な位置づけになります。あのとき、私も喋っていましたが、とにかく時間が足りなかったことを覚えています。一人三分で発表ですからね。ムスカですか。今回はもう少し時間はあると思いますが、ふたを開けてみないとわかりません。内容としては板垣貴幸さんのコーディネートで、同人誌や同人ソフトに関して歴史的な側面(玉井)、経済学的な側面から小山友介さん、同人ソフト・パソコンの点からおにたまさん、インディーズやVRソフトから江崎望さん、そして吉田会長と戸崎茂雄さんからコメントをいただくという流れになる予定です。

そして午後はシンポジウム「大学におけるコンテンツ教育の展開と未来」です。初日がゲームクリエーターが教育機関で教える場合というかたちでしたが、2日目は教育現場にいる人たちの観点からお届けするかたちになります。まずは今回のシンポジウムの趣旨説明および海外のコンテンツ教育の状況を戸田千速さん、産業界から期待することや実践例などを恩田講さん((株)バンダイナムコスタジオ)、デジタルハリウッド大学での実践例を高橋光輝さん、東北芸術工科大学の事例を吉田正高会長が話す予定です。

そのほかにも一般発表もありますので、ぜひお越しください。初日には懇親会もありますよ。お待ちしております。このページをご覧いただき、参加登録をお願いします。

コンテンツ文化史学会2015年度大会「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」に向けて(その1)

皆さん、お久しぶりです。実に2年ぶりのブログ更新になります。この2年間に何があったかというと職場がかわり劇的に忙しくなったことにより、学会仕事にまわせるリソースが一時期は限りなくゼロになりました。ようやくペースをつかめた気がするので、新人の先発ピッチャーが一年間ローテーションを守ったことにより少し自信をもってキャンプに臨んでいる気分です。大学は2月中旬から春休みに入っております。

さて2015年度大会はこれまでとは違い2月に開催となりました。その理由としては日本デジタルゲーム学会さんと同時開催であることが挙げられます。何せメンバーを見るとわかりますが、かなり重なっており話す機会も多いわけです。それなら一緒にやりますか、という感じで小山友介先生とお話ししたことを覚えています。したがって今回は教室は違いますが、同じフロアで行われ、懇親会も合同で行われます。受付は別です。本学会への日本デジタルゲーム学会会員の皆様の参加は値引きいたしますが、コンテンツ文化史学会会員の先方への参加は特に何もありません。

そんな感じではじまる今回の大会ですが、「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」というテーマになったのは、今回はゲームを考えるよい機会にしようという意図があります。我々はゲームのみに焦点を当てて考える学会ではありませんが、様々な媒体を複合的にそして歴史的に捉えて考えることを行ってきました。そのベースを踏まえて、ゲームを遊びや学びという一側面からだけではなく、学びと遊びを有機的に結合させて考察することはできないだろうか、という考えがあります。

そこでまず初日には「昼下がりの『夜のゲーム大学』」としてシンポジウムを行います。この『夜のゲーム大学』とはなんぞや、という方もおられるかもしれませんが、麻野一哉さん、飯田和敏さん、米光一成さんの3名がロフトプラスワンで定期的に開催しているイベントで、ゲームクリエーターであり、大学などの教育現場で教えている3名が毎回、授業を行い、その時々、手がけている作品の解説を行い、時にゲームの真髄にまで迫ろうというアグレッシブな会です。今回は残念ながら日程の都合で麻野一哉さんの参加はなりませんでしたが、専門学校で教鞭をとられている納口龍司さんにご参加いただきます。司会は本学会会長の吉田正高です。おそらく会長は最近、アートとコンテンツを架橋する授業を本務校でやっているので、そこらへんを3名に聞くのではないでしょうか。想像です。

内容としてもゲームクリエーターが教育現場にてどのような活動を行っているのかや現在手掛けている作品などに踏み込んでいくはずです。しかし、昼下がりですから、どうなるかはわかりません。昼ドラのようになるのか、情報番組のようになるのか。お楽しみにしてください。

大会が終わり、コミケへ

皆様。2013年大会は大変お疲れさまでした。下記のtogetterにその一端がまとめられております。つぶやきですので、ほんの一部でしかありません。これで当日の話の文脈まで読めませんので、ご注意ください。

http://togetter.com/li/600056

http://togetter.com/li/600576

また、ファミ通さんにも取り上げていただきました。まことにありがとうございます。

http://www.famitsu.com/news/201312/27045576.html

それにしても会場の東海大学高輪キャンパスは綺麗でしたね。夜はイルミネーションが目立っておりました。

夜の風景を撮影しておりませんが…今回、参加できなかった方は来年にぜひお会いしましょう。例会・大会と開催したします!そして明日はコミケ3日目。コンテンツ文化史学会もサークル参加いたします。

http://www.contentshistory.org/2013/12/19/1414/

場所は西 も – 09 aです。特に新刊ありません!数時間後には起きて、出発です。参加される方はぜひお寄りください。それでは良いお年を!

キャラクター大会に向けて その5「ゆるキャラのどこが面白いんだ?」

にゃんぱすー(挨拶)

もうあと数日になりました。2013年キャラクター大会へのご参加を検討されている方はぜひ参加登録サイトから必要事項をご記入の上、送信ボタンを押してください。

さて、私は通勤途中にラジオをよく聞いてradikoやpodcastなど諸々活用しているのですが、先日の爆笑問題カーボーイを聞いていましたら、太田光が「ゆるキャラのどこが面白いのかわからない」という旨を述べていました。彼が述べていた根拠は「喋らない(テレビ的にアウト)」、「こちらが殴る等のアプローチをしなければならない(ワンパターンに陥る)」、「動けない(つまらない)」、「大きい(テレビの舞台裏は狭いから邪魔)」というものであったかと思います。

テレビ文化に生きるタレントとしての彼の意見は個人的には頷ける面もあるかと思っていますが、ゆるキャラ好きの人からすれば、彼が列挙した根拠は首肯できないものかもしれません。ともすれば、「だから良いんじゃないか」となりうるでしょう。何よりゆるキャラとされる存在は彼が欠点として挙げた点を売りにしている面があることも事実です。では、なぜ齟齬が生まれているのか。

一つには大きく文脈が違うという点があるでしょう。テレビメディアにおいて発声が出来ないゆるキャラは他の出演者が引き立て役になる必要があります。そのため共演者の労力が通常よりも大きくなり、厭われるというのは良く分かります。それに対し、ゆるキャラはご当地キャラや企業などのイメージ性を請け負って存在しているという文脈、さらにいえば物語性を内包しており、その出自がテレビ文化に溶け込むための身体性などを所持することを許さないわけです。あ、なお、ふなっしーはお笑い芸人枠です。あの妖精のせいでスギちゃんが確保していた笑っていいともの枠が一つ失われました。

スギちゃんには頑張っていただきたいわけですが(棒読み)、もう一つとして良く挙げられるのはゆるキャラが乱立しすぎるという点でしょう。数少ないゆるキャラに関する論文である平林千春「ソーシャルコンテンツによる地域活性化戦略の手法とその検証」(『東北芸術工科大学紀要』20号、2013年)では、「ソーシャルコンテンツ」を「「地域から誕生・発信され、地域活性化の媒介・ツール・シンボルとして、その地域の人々に需要・活用されているエンターテイメント性を有した精神文化の所産」(52p)と定義しています。つまりゆるキャラだけではなく、ご当地ヒーローやB級グルメなども含むことになります。この論文では、上手くいかないゆるキャラに対し「ただキャラクター化すればいいということではなく、プロモーションも含めて地域活性化戦略としてトータルにマネージメントされる必要性を垣間見せている。多くの成功したソーシャルコンテンツはそのコンテンツの質もあるが、むしろどういう浸透策を採ったかということが無視できない」(54p)と述べています。

要は作ればいいというわけではない、ということです。この点はコンテンツツーリズムにも同様に言えまして、作品の舞台になり、物語性が生まれれば、勝手に動き出す、などという甘い妄想が意外に頑迷と存在しております。せめて、井手口彰典先生の論文「萌える地域振興の行方. -「萌えおこし」の可能性とその課題について-」ぐらいは読んで考えてから、聞きに来てください、と言いたい。以上、実体験に基づく愚痴でした。井手口先生の論文はこちらでpdfにて読めますのでぜひ。

というわけで何述べたいかといいますと、初日のシンポジウムは参加者の皆さんで色々と考えましょうということです。建設的なご意見をお待ちしています。

アニメ・マンガで地域振興

n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性

キャラクター大会に向けて その4(俺ガイル!)

キャラクター大会が近づいてまいりました。今週末になります。ご参加を検討中の方はぜひともご登録をお願いいたします。参加費の値下げもいたしまして、学生さんは無料になりました。

さて、今回はキャラクターというのが一つのテーマですが、皆さんがイメージするのはどのようなものがあるでしょうか。シンポで取り上げる「ゆるキャラ」を筆頭とした地域や団体、組織のキャラクターというのも一つあるでしょう。2日目のシンポで取り上げますゲームや絵本、マンガで描かれるキャラクターというのも考えられます。

しかし、このようにメディアに表出されるキャラクターのみが着目すべき点でしょうか。今回、2日目の初回で発表していただく七邊信重さんの発表「「社会関係の拒絶」か「再帰的関係」か―コンテンツに見る「優しい関係」の出口―」では、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』などを取り上げるそうです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。第6巻 (初回限定版) [Blu-ray]

この作品はアニメ化・ゲーム化もされ、マンガ連載も進んでおりますので、ご存知の方も多いでしょうが、簡単にあらすじを説明しますと高校進学直後に交通事故にあい、入院していたため、友人ができないままの主人公八幡は「ぼっち」であることを指標していたが、それに対し教員により無理やり奉仕部に入部され、人付き合いの苦手な才女や友達作り(及び維持)に長けた少女、中二病全開のオタク…とデフォルメされているキャラクター群による学校生活が描かれています。個人的には『あやかしがたり』が日本史学の成果と妖怪物とを融合させた見事な作品であったために、『俺ガイル』が出てきたときは既視感満載の設定に頭を抱えたものでした。が、実力のある作家はそのような既視感も取っ払うことが出来るものだと感心したことも覚えています。「オリジナル」なんてものは既に存在しないので、この世には既視感しかないのですよ、という意見もあるかもしれません。

さておき、話をキャラクターに戻しますと、別にデフォルメされたキャラクターが魅力的だという話に帰着するわけではありません。もちろんデフォルメされているがゆえに非常にクリアに作中で描かれる情景が伝わってくるため「お前は俺か」と思う読者も多いでしょう。ちなみに私の好きなキャラは平塚先生です(さりげないフォロー)。ここで着目したいのは作中で描かれている若者たちが形成する人間関係、さらに言えばスクールカーストに関してです。

実はこのような学校制度内における若者自身のアイデンティティ形成や人間関係という問題はキャラクター研究でも非常に重視されています。2日目のシンポジウムにご登壇いただく、あいはらひろゆきさんは『キャラ化するニッポン』(相原博之名義)でも、この問題を取り上げており、若者のみならず現代において社会生活をする人々が如何に自らをキャラ化しているのかについて述べております。学校制度内に目を向けますと『キャラ化する/される子どもたち』(土井隆義)でも、過剰なほどに依存される関係性に着目をしております。さらに本学会学会誌にもご寄稿いただきました浅野智彦さんは若者全体に目を向けて、消費やコミュニケーションの問題を同時代的に取り上げて着目しています(『「若者」とは誰か: アイデンティティの30年』)。特に専門ではありませんので目についた著作をざっとめくっただけでも、学校制度内におけるスクールカーストや過剰なほど求められる人間関係、もしくはコミュニケーション不全が問題として認識される社会状況が既に存在することが理解できるのではないでしょうか。

もちろん、これは世代や個人、地域性によってかなり変化する問題だと思います。大学で教えていると学校によっては高校生までの生活を引きずっているのかスクールカーストが見事に形成されていたり、まったく気にせずにアニメの話をしている学生を見たり、と千差万別かもしれません。先日、授業で聞いたら、10代の学生があまり『俺ガイル』を読んでいない様子でしたので、驚きました…。共感しうる世代も違うのかもしれません。平塚先生、がんばってください。いや、渡航先生、がんばってください。

と、つらつらと書いてまいりましたが、七邊さんがこのような話をするかはわかりません。そもそも「自由論題」の枠組みで応募されていますし…当日をお楽しみに。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 (岩波ブックレット)

「若者」とは誰か: アイデンティティの30年 (河出ブックス 61)