コンテンツ文化史学会2015年度大会「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」に向けて(その2)

2年間のブランク期間にあったことで学会として一番大きいこととしては、もはや専属イラストレーター的なポジションに位置しているこさささこさんが倒れられたことでしょう。単にイラストレーターとしてではなく、実は組版も担当されていたので本学会の編集機能はすべてがストップしたのでした。私が暇であったのならば、まだ何とかできたでしょうが、そのときは新しい職場で仕事をしているだけで精いっぱいで、ただ時間と物事が過ぎていくだけでした。こさささこさんは数か月もの間、意識を失われていたので、大変心配をしておりましたが、こうやって学会のポスターがあがってくるだけで感激の一言に尽きます。

さてそのような2015年度大会ですが、2日目には企画シンポとして「コミケットの未来・同人ソフトの未来2016」がまずは行われます。これは昨年の3月に行われたコミケットスペシャル6で行われた「コミケットの未来・同人ソフトの未来」の続編的な位置づけになります。あのとき、私も喋っていましたが、とにかく時間が足りなかったことを覚えています。一人三分で発表ですからね。ムスカですか。今回はもう少し時間はあると思いますが、ふたを開けてみないとわかりません。内容としては板垣貴幸さんのコーディネートで、同人誌や同人ソフトに関して歴史的な側面(玉井)、経済学的な側面から小山友介さん、同人ソフト・パソコンの点からおにたまさん、インディーズやVRソフトから江崎望さん、そして吉田会長と戸崎茂雄さんからコメントをいただくという流れになる予定です。

そして午後はシンポジウム「大学におけるコンテンツ教育の展開と未来」です。初日がゲームクリエーターが教育機関で教える場合というかたちでしたが、2日目は教育現場にいる人たちの観点からお届けするかたちになります。まずは今回のシンポジウムの趣旨説明および海外のコンテンツ教育の状況を戸田千速さん、産業界から期待することや実践例などを恩田講さん((株)バンダイナムコスタジオ)、デジタルハリウッド大学での実践例を高橋光輝さん、東北芸術工科大学の事例を吉田正高会長が話す予定です。

そのほかにも一般発表もありますので、ぜひお越しください。初日には懇親会もありますよ。お待ちしております。このページをご覧いただき、参加登録をお願いします。

コンテンツ文化史学会2015年度大会「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」に向けて(その1)

皆さん、お久しぶりです。実に2年ぶりのブログ更新になります。この2年間に何があったかというと職場がかわり劇的に忙しくなったことにより、学会仕事にまわせるリソースが一時期は限りなくゼロになりました。ようやくペースをつかめた気がするので、新人の先発ピッチャーが一年間ローテーションを守ったことにより少し自信をもってキャンプに臨んでいる気分です。大学は2月中旬から春休みに入っております。

さて2015年度大会はこれまでとは違い2月に開催となりました。その理由としては日本デジタルゲーム学会さんと同時開催であることが挙げられます。何せメンバーを見るとわかりますが、かなり重なっており話す機会も多いわけです。それなら一緒にやりますか、という感じで小山友介先生とお話ししたことを覚えています。したがって今回は教室は違いますが、同じフロアで行われ、懇親会も合同で行われます。受付は別です。本学会への日本デジタルゲーム学会会員の皆様の参加は値引きいたしますが、コンテンツ文化史学会会員の先方への参加は特に何もありません。

そんな感じではじまる今回の大会ですが、「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」というテーマになったのは、今回はゲームを考えるよい機会にしようという意図があります。我々はゲームのみに焦点を当てて考える学会ではありませんが、様々な媒体を複合的にそして歴史的に捉えて考えることを行ってきました。そのベースを踏まえて、ゲームを遊びや学びという一側面からだけではなく、学びと遊びを有機的に結合させて考察することはできないだろうか、という考えがあります。

そこでまず初日には「昼下がりの『夜のゲーム大学』」としてシンポジウムを行います。この『夜のゲーム大学』とはなんぞや、という方もおられるかもしれませんが、麻野一哉さん、飯田和敏さん、米光一成さんの3名がロフトプラスワンで定期的に開催しているイベントで、ゲームクリエーターであり、大学などの教育現場で教えている3名が毎回、授業を行い、その時々、手がけている作品の解説を行い、時にゲームの真髄にまで迫ろうというアグレッシブな会です。今回は残念ながら日程の都合で麻野一哉さんの参加はなりませんでしたが、専門学校で教鞭をとられている納口龍司さんにご参加いただきます。司会は本学会会長の吉田正高です。おそらく会長は最近、アートとコンテンツを架橋する授業を本務校でやっているので、そこらへんを3名に聞くのではないでしょうか。想像です。

内容としてもゲームクリエーターが教育現場にてどのような活動を行っているのかや現在手掛けている作品などに踏み込んでいくはずです。しかし、昼下がりですから、どうなるかはわかりません。昼ドラのようになるのか、情報番組のようになるのか。お楽しみにしてください。

コンテンツ文化史学会2015年度大会「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」のお知らせ(参加登録開始)

コンテンツ文化史学会では来る2月27日(土)・28日(日)に2015年度大会「ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ」を開催いたします。参加される場合は、参加申込サイトより登録をお願いいたします。また、27日(土)の夜に懇親会を予定しております。こちらのご参加もお待ちしております。

【2月12日追記】参加申込サイトを開設いたしました。
【2月18日追記】ポスター画像を追加しました。
【2月23日追記】28日の会場が変更になりました。ご注意ください。そのほか休憩室を追記しました。
【2月25日追記】28日の企画シンポジウムの登壇者名を追記しました。

【概要】

○大会テーマ

ゲームで学ぶ、ゲームで遊ぶ

○開催日

2016年2月27日(土)28日(日)

○場所

芝浦工業大学大宮キャンパス5号館2階5274教室(27日)
芝浦工業大学大宮キャンパス2号館2階2201教室(28日)
http://www.shibaura-it.ac.jp/access/omiya.html

○休憩室(大会参加者・発表者は使用可)

27日:5271教室
28日:2205教室

○参加費

日本デジタルゲーム学会会員:1000円(両日参加可)→28日参加のみ500円
非会員両日参加:2000円
非会員一日参加:1000円
会員:無料

懇親会費
学生:3500円
学生以外:5000円

○参加申込フォーム:

http://www.contentshistory.org/event_entry/

○タイムスケジュール

○2月27日(土)

10:00-10:30
宮本亮平(明治大学大学院)「一九八〇年前後の日本音楽産業におけるアニメーション関連商品市場の形成について
―キングレコードのアニメーション関連音楽市場への参入とその発展―」

10:30-11:00
井上明人(立命館大学)「遊びと真面目はなぜ、分化してしまうのか―融合と分裂をめぐる仮説構築の試み―」

11:00-11:30
飯塚邦彦(吉本たいまつ、成蹊大学)「コミック同人誌印刷所の成立―ミニコミ、漫研、軽印刷―」

11:30-12:00
鴫原盛之(フリーランス)「ライターの視点から見たゲームメディアの変遷」

12:00-13:00
休憩

13:00-17:00
シンポジウム「昼下がりの『夜のゲーム大学』」
登壇者:飯田和敏(立命館大学)、納口龍司(東京コミュニケーションアート専門学校)、米光一成(ゲーム作家・ライター)
司会:吉田正高(東北芸術工科大学)

○2月28日(日)

10:00-10:30
原田伸一朗(静岡大学)「Tシャツのメッセージと表現の自由 ―「ロウきゅーぶ!」Tシャツ騒動の示唆するもの―」

10:30-11:00
五十嵐輝(芝浦工業大学) 小山友介(芝浦工業大学)「大学生からの「おたく」的因子の抽出とそれを元にした分類―おたく、リア充、非おたく―」

11:00-13:00
企画シンポジウム「コミケットの未来・同人ソフトの未来2016」
パネリスト:玉井 建也 (東北芸術工科大学専任講師)、小山 友介 (芝浦工業大学准教授)、 武田 寧 (ONION software代表)、江崎 望 (デジゲー博準備会代表)、戸崎 茂雄 (TLGS副代表)、吉田 正高 (東北芸術工科大学准教授)(登壇順)
コーディネーター:板垣 貴幸

13:00-14:00
休憩

14:00-17:00
シンポジウム「大学におけるコンテンツ教育の展開と未来」
登壇者:恩田講((株)バンダイナムコスタジオ)、高橋光輝(デジタルハリウッド大学)、戸田千速(東京大学大学院)、吉田正高(東北芸術工科大学)

○2015年度コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:小山友介(芝浦工業大学)
顧問:出口弘(東京工業大学)
委員:飯田幸次郎(デザイナー)
委員:板垣貴幸(IGDA日本)
委員:井上明人(立命館大学)
委員:大橋正司(デザイナー)
委員:岡本健(奈良県立大学)
委員:小野憲史(ゲームジャーナリスト)
委員:樺島榮一郎(青山学院大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:佐藤寿昭(東京大学大学院学際情報学府博士後期課程)
委員:高橋勝輝(編集屋)
委員:玉井建也(東北芸術工科大学)
委員:中川譲(日本映画大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学高等学院非常勤講師)
委員:七邊信重(一般財団法人マルチメディア振興センター)
委員:藤原正仁(専修大学)
委員:堀内淳一(皇學館大學)
委員:柳原伸洋(東海大学)
委員:山口晶子(聖マリアンナ医科大学)
委員:山中智省(滋賀文教短期大学)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)