Home > Archives > 2010-09

2010-09

棚からひとつかみ

前回のブログ更新は8月ですから1ヶ月以上を経ての更新。最近は委員会でも「ブログをもっと更新しましょう」という言葉が機械的に出てくることすらなくなりましたね。皆さん、覚えていますか。会長が「会長のコンテンツ日記」というタグでこのブログを更新していたことを・・・。

さて、そうこうしているうちに季節はめぐって猛暑から一気に秋へとかわりました。その間に色々とコンテンツ関係の著書などが出版され、こちらの業界も盛んになってきたなという感慨があります。少し目に付いたものを書いてみましょう。決して委員会のたびに「最近、何か出てましたよね。書評どうします?」「何かありましたよね」「あー、最近出たあれ。あれですよ」みたいな言葉が交わされるから、その対策とかそういうことはないです。ありません。

デジタルゲームの教科書 知っておくべきゲーム業界最新トレンド

一つ大きな進展であったと考えられるのはこの『デジタルゲームの教科書』(デジタルゲームの教科書制作委員会著、ソフトバンククリエイティブ)でしょう。これまで日本シミュレーション&ゲーミング学会(http://www.jasag.org/)、ゲーム学会(http://www.gameamusementsociety.org/)、日本デジタルゲーム学会(http://www.digrajapan.org/)とそれぞれの学会活動の中で盛り上がってきたゲーム学ですが、そのハンドブック的なものがついに発刊となりました。海外では『Handbook of Computer Game Studies』(http://mitpress.mit.edu/catalog/item/default.asp?ttype=2&tid=10331&mode=toc)が2005年に発刊され、一つの到達点として数え上げられますが、本書もその流れの中に位置づけられるかもしれません。何よりゲーム学としての指針のみならず、ゲーム教育にも大きな影響を与えることになるでしょう。

なおこちらのページにて本書の紹介、参考文献リストや定期的に開催されているustの案内が見られます。

ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代まで

続けて山中智省さんの『ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代まで』(青弓社)。昨年開催されました本学会第2回例会で発表していただきました山中さんの著作になります。ライトノベルとは何かという問題に真摯に立ち向かい、解き明かしていった山中さんの修士論文を書籍化したものになる・・・のですよね?個人的には80年代以前の前史(と捉えるのかどうか)といったところから語っていただきたかったのですが、それは個人的な興味関心です。

闇のファンタジー (ナイトメア叢書)

そしてその第2回例会つながりで『闇のファンタジー』(青弓社)。一連のナイトメア叢書の1冊になります。といいますか青弓社が続きますね。こちらには昨年の第2回例会でご発表いただきました井上乃武さんの「「語り」の問題性とその向こう側にあるもの――天沢退二郎における二元論の問題」、大島丈志さんの「呪術的世界に生きた「毒もみのすきな署長さん」に関する考察――毒もみを中心とした宮沢賢治作品における罪のあり方をめぐって」という2本の論文が収録されております。個人的に秀逸だったのは表智之さんの「闇はすぐそこにある――諸星大二郎をめぐって」。鳥山石燕らの活動を「妖怪革命」とする香川雅信氏の研究を踏まえて、諸星作品を「妖怪反革命」と位置付けています。実証等の必要性はあるにせよ、かなり興味深い指摘だと思います。そのほか、コンテンツに直接関係してくるものでは、小松史生子「『キノの旅』と『ブギーポップは笑わない』」、大橋崇行「グロテスクな魔女の幻想――『うみねこのなく頃に』」なども収録されております。

また、現在編集中の本学会学会誌4号では前述の山中さん、井上さん、大島さんに論考を依頼し、特集を組むことになっております。ぜひお待ちください。ラノベ好きは必読です。

2010年第2回例会開催のお知らせ(第1報)

第2回例会「ゲーム産業は、いかにして成立しえたのか――アメリカ、日本…草創期に何が生じたのか」

本年度2回目の例会を下記の要領で開催いたします。今回も前回と同様、事前参加登録を行う予定です。こちらの登録ページは後日告知させていただきます。

○概要

ゲーム産業の成立要因には、いくつもの謎が隠されている。アメリカでは1980年代前半に、コンピュータ・ゲームのビジネスが崩落(いわゆる「アタリショック」)したのはなぜなのか?なぜ、日本は世界に先んじてゲーム産業を大きく発展させることができたのか?ヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、中国…それぞれの国でゲーム産業が成長した時期に10年以上のズレが生じたのはどうしてなのか?また、インドや、南米などで未だに産業が成立し得ていないのはなぜなのか? こうした問題について統一的な答えはまだない。
今回の例会では、これらの疑問にアプローチを試みる、研究者、開発者、在野の研究者などを招きこの問題について考えていきたい。

○日時

10月23日(土) 13時開場、13時20分開始

○場所

キャンパスイノベーションセンター東京 2F多目的室2 (JR田町駅近く)
http://www.cictokyo.jp/index.html

○参加費

500円(会員は無料)

○司会

吉田正高 (東北芸術工科大学)

○発表者

樺島栄一郎 (相模女子大学)
米光一成 (立命館大学)
井上明人 (国際大学GLOCOM)

○タイムスケジュール

13:20-13:40 趣旨説明
13:40-14:20  樺島栄一郎 (相模女子大学)
14:20-14:30 休憩
14:30-15:10 米光一成 (立命館大学)
15:10-15:50 井上明人 (国際大学GLOCOM)
15:50-16:10 休憩
16:10-16:40 総合討論

  • Comments (Close): 0
  • Trackbacks (Close): 0

賛助会員からのお知らせ

本学会賛助会員のSCIVONE様から下記の情報をいただきました。本件に関するお問い合わせは学会ではなくSCIVONE様にお願いいたします。

—-

JAniCA共同開発、ジブリで生まれたアニメーター専用ストップウォッチ、iPhoneアプリで復刻

http://www.scivone.com/info/2010/201008003.html

サイフォン合同会社(本社:東京都三鷹市、代表社員兼CEO:宮野耕一、代表社員兼CCO:大橋正司、以下サイフォン)および一般社団法人 日本アニメーター・演出協会(事務局:東京都杉並区、代表理事:山崎理)は、日本のアニメーション制作に特化した1/24秒・1/30秒計測ストップ ウォッチiPhoneアプリ「JAniCA Watch 1/24秒計ストップウォッチ」(税込価格350円)の提供を、2010年8月26日よりApp Storeにて開始いたしました。本アプリは1993年に、当時、株式会社スタジオジブリで映画「海がきこえる」の制作に演出助手として参加されていた演 出家、村田和也氏らを中心として特注されたアナログ式ストップウォッチの復刻版です。

JAniCA Watchとは

日本のアニメーションは24コマ単位で制作されていますが、1/24秒単位でモーションのタイミングを計測できるストップウォッチは市販されていま せん。1993年に、当時、株式会社スタジオジブリで「海がきこえる」の制作に演出助手として参加されていた演出家、村田和也氏らを中心として特注された 実機のみが存在していますが、部品の入手や職人の手配が難しく、現在では生産が不可能な状態が続いています。

この度、業界内での強い要望にお応えし、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)との共同開発により、上記ストップウォッチを iPhoneアプリとして復刻しました。1秒24コマ、日本の標準的なタイムシートに合わせて1周で6秒を計測する、日本のアニメーション制作に特化した ストップウォッチです。また、Flash・Web・VP用映像などの制作でお使い頂けるよう、30コマ単位での計測も可能です。本アプリでは、前述のアナ ログ式アニメーター用ストップウォッチで使われた文字盤を、開発者の村田氏のご厚意により復刻しました。

JAniCA Watchの特徴

タッチパネル式インターフェイスでは画面を見なければ操作ができません。JAniCA Watchではこの欠点を克服するため、片手で使っても両手で使っても、見ても見なくても使えるよう、一般的なボタンを一切排除しました。また、リソース が限られているiPhone/iPod touchでは、微妙な誤差の発生が問題となっていました。連打を行ってもタイミング計測に影響が出ないよう、1/24秒、1/30秒、いずれの計測時に おいても軽快なレスポンスを実現しています。

JAniCAとの共同開発について

大部分の日本のアニメーターは、制作会社に正社員として雇用されていません。参加する作品によっていろいろなスタジオに所属する形態が一般的です。 本アプリは、そんなアニメーターが持ち歩ける、アニメーション制作のためのツールです。これまで、日本のアニメ業界の中でコンピュータの導入が早かった作 業工程では様々な統合アプリケーションが開発・販売されており、制作会社・スタジオ単位での導入は進みましたが、演出・原画・動画を担当する個人のアニ メーターが、個人で使用するソフトウェア群はありませんでした。本共同開発プロジェクトは、そんな個人のアニメーターの視点に立ち、演出・作画の実業務に 対して便利に使え、しかし、お財布にやさしいツールを開発することで、日本のアニメーションのクオリティアップに貢献することを目的として始まった一般社 団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)との共同開発プロジェクトです。今後も様々なツールの開発を継続して参ります。

JAniCA Watchの概要

タイトル JAniCA WAtch
対応機種 iPhone OS 3.1.3以上を搭載した、iPod touch 2G、iPhone 3G、iPhone 3GS、iPhone4(iOS4およびRetinaディスプレイ対応済)
必要な能力の関係で、初代iPod touchはサポートしておりません。ご注意ください。
国内販売価格 350円(税込)
言語対応 英語、日本語

JAniCA Watch 製品ページ

http://www.scivone.com/iphoneapp/janicawatch/

App Store URL

http://itunes.apple.com/jp/app/id388187488?mt=8

JAniCA Watch インタフェース画像

以下より、フルサイズでダウンロードいただけます。
JAniCA Watch スクリーン参考画像
○本件に関するお問い合わせ
サイフォン合同会社
〒180-0006
東京都武蔵野市中町2-1-9
I.G本社ビル 1F
Tel/Fax. 0422-53-9523

一般社団法人 日本アニメーター・演出協会(JAniCA)
〒166-0004
東京都杉並区阿佐谷南2-14-4
阿佐ヶ谷WAOビル3階
http://www.janica.jp/

  • Comments (Close): 0
  • Trackbacks (Close): 0

Home > Archives > 2010-09

サイト内検索
RSSフィード

Return to page top