キャラクター大会に向けて その2

2回目です。前回の更新から1週間以上が経過し、あっという間に大会まで残り1週間となりました。参加を希望される方はぜひご登録ください。発表者の皆様は準備をお願いいたします。委員もそろそろ準備活動が本格化し始めますね。

さて前回のブログエントリでは初日シンポの話をしましたが、今回は2日目の「キャラクターの創造と活用」について簡単にご説明いたします。初日に関しては、いわゆる「ゆるキャラ」と呼ばれるものを中心として、地域社会とキャラクターとの関連に着目をしてシンポを企画いたしましたが、2日目はより広くキャラクターを取り上げ、クリエーターの方々がどのようにしてキャラクターを作り上げ、作品内で動かしていったのかについて語っていただこうと考え、行うことになります。当日の司会は本学会会長の吉田正高です。

ご登壇者ですが、あいはらひろゆきさんは絵本「くまのがっこう」やアニメ「がんばれ!ルルロロ」を手掛けるなど、クマのキャラクターでお馴染みの絵本作家です。

くまのがっこう (PICT.BOOK)

がんばれ!ルルロロ~あわあわおばけ~ [DVD]

また肩書にキャラ研代表とありますようにキャラクター研究も行っており、相原博之名義で『キャラ化するニッポン』を執筆されております。当日は絵本からアニメに至るまでご自身のキャラクターの創造から活用までお話しいただけることでしょう。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

 

はじめさんは『ウチのダンナはサラリーマン山伏』などのエッセイ漫画でも有名ですが、キャラクター展開をしている「あおくび大根」の生みの親としても著名な方です。

ウチのダンナはサラリーマン山伏 (コンペイトウ書房)

あおくび大根―わびさび日記

当日は「あおくび大根」の創作秘話をお話しいただける予定です。

あおくび大根 ちび大根ぬいぐるみ(クレヨン)

齊藤祐一郎さんはゲーム会社スパイク・チュンソフトに所属されているクリエーターの方ですが、大ヒット作品である『ダンガンロンパ』シリーズを手掛けられまております。

ダンガンロンパ1・2 Reload

 

超高校生級の方もぜひ学会にご参加を!アニメも大好評でした。

ダンガンロンパ The Animation 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]

そしてモノグマの印象が深いダンガンロンパですが、齋藤さんのトークへの特別ゲストとしてクマ界では外せない森チャックさんをお呼びいたしました。

森チャック スパルタ マッサージ

 

グル~ミ~や汎用うさぎなど様々なキャラクターを手がけられておりますので、一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。

以上のように素晴らしいゲストの皆様にご登壇いただきまして、2日目のシンポジウムを進めていきたいと思います。吉田さん、がんばってください。クマ率が高いですね。

1/700 ウォーターラインシリーズ No.316 1/700 日本海軍 軽巡洋艦 球磨 31316

キャラクター大会に向けて その1

皆さん、艦これをやっていますか。イベントクリアは出来ていますか。私の旗艦は金剛です。改二です。たまにうるさいです。

さて、今年の本学会の大会テーマは「キャラクターを作る/動かす/考える」になります。昨年、特別講演としまして、「いまいち萌えない娘」に関して矢野正樹(いまもえ制作委員会・ディレクター)さんに「萌える?萌えない?いまいち萌えない娘」というタイトルでご発表いただきました。それを踏まえて、今年は「キャラクターに焦点を当ててみよう」と委員会にて誰かが言い出して、そのままのノリで大会テーマになったわけです。今年は私が大会運営委員長という名の事務その他総括係を担当しています。

「いまいち萌えない娘」が神戸をフィーチャーしたキャラクターであるという点、さらには近年、話題の「ゆるキャラ」が押し並べて諸地域に関連したものであることを鑑みまして、初日のテーマは「地域社会とキャラクター」になります。瑞浪市化石博物館学芸員である安藤佑介さんには博物館のキャラクターである瑞浪Mioに関してお話いただきます。SSS合同会社CEOである小田恭央さんには東北地方の企業であればライセンスフリーである「東北ずん子」についてお話いただきます。最近、小説が出ました。そして、ゆるキャラといえば「ひこにゃん」ということで彦根市産業部観光振興課長 兼 フィルムコミッション室長 兼 コンベンションサービス室長である野﨑孝志さんには、ひこにゃんの誕生についてお話いただきます。

先日、「ご当地キャラ博 in 彦根」が開催され、今度の24日に「ゆるキャラグランプリ」が開かれるというタイミングですので、それに関するお話も聞けるかもしれません。

そしてコメンテーターには「聖地巡礼」といえば、この人ということで柿崎俊道さんにご登壇いただきます。多くの土地と地域コンテンツの活用を目にしてこられ、そして聖地巡礼プロデューサーとしても活動されている柿崎さんから総括的なお話をお聞き出来ればと思います。

以上のような感じで初日のシンポを開催します。2日目に関してはまた後日、更新します。

ひこにゃん/ぬいぐるみ Mサイズ

東北ずん子  「むちむち」じゃありません! 「もちもち」です!

VOICEROID+ 東北ずん子

小説 いまいち萌えない娘

聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり

1/700 特シリーズ No.83 日本海軍高速戦艦 金剛 昭和16年 (1941年)

「コンテンツと歴史」に向けて その2

その2です。毎回、何を書くか全く考えずにキーボードを打ち始めるので大変です。面倒とも言い替えることも可能。今度の例会は7月7日(日)に開催されますので、ぜひ、ご参加ください。

さて、その例会のタイトルは「コンテンツと歴史」ですが、取り上げるテーマの一つに「歴史ファン」が挙げられます。従来の歴史学では、作品を受容するファンを取り上げる研究は皆無と言っても良い状況であったかもしれません。例えば、司馬遼太郎や松本清張、中里介山、島崎藤村…と様々な作家を取り上げ、その思想について考察するというのが、比較的オーソドックスな研究と言えるでしょう。それでもナラティブな研究を行うこと自体、歴史学内部においては先進的な状況であったと捉えることも可能です。

しかし、そのような歴史学の研究状況と相反するように「歴史ファン」の動きは様々な変容を見せています。藤本由香里さんが書かれているように『ベルサイユのばら』の連載に対して編集側から「女子供に歴史物は受けない」と反対されたと言います(藤本由香里「「女たちは歴史が嫌い」か?-少女マンガの歴史ものを中心に-」長野ひろ子・姫岡とし子編『歴史教育とジェンダ- ― 教科書からサブカルチャ-まで』青弓社、2011)。もちろん、その後の大ヒットや現在の「歴女」の存在などを考えれば、検討違いであることは間違いないでしょう。藤本さんが書かれているように、これまで語られてきた「歴史」とされるものが男性主体であるがゆえに女性主体の物語を作る場合、史実から離れる必要があった、裏返せば男性が描く、男性に向けた物語は常に史実を意識する必要があったわけです。しかし、そのなかにおいて「戦国BASARA」のような惹きつけるコンテンツが登場してくる土壌が生成されたと考えることは可能です。

では、「歴女」という人々はどのような趣味嗜好を持っているのか、という点に着目されたのが、今回の例会で発表される堀内淳一さんです。既に『コンテンツ文化史研究』第6号にて「歴史コンテンツの受容と消費者の意識 ―「新選組」コンテンツに関する調査報告―」を発表されています。アンケート結果を通じて、「歴女」とされる人々について詳細に考察されております。論文は一回の調査結果になりますが、その後もアンケート調査を続けられており、例会発表ではより総体的な発表になると思います。

歴史学のナラティヴ―民衆史研究とその周辺

歴史教育とジェンダー―教科書からサブカルチャーまで (青弓社ライブラリー)

ベルサイユのばら 1 (集英社文庫)

戦国BASARA HD Collection

「コンテンツと歴史」に向けて その1

まさかの今年初のブログ更新になります。忘れていたわけではありませんが、一人で編集・研究・広報と動かしているとブログ更新にまで、なかなかたどり着けませんね。

さておき、既に告知が出されているように今度の7月7日(日)に今年度の第1回例会が開催されます。タイトルは「コンテンツと歴史」。誰も言及しないので、ここに書いておきますと、チラシは「歴史とコンテンツ」になっておりますが、並列ですので、どちらでも良いです。

「歴史」を考える際、決して無視できないのが、漫画・アニメ・ゲーム・映画・小説等々のコンテンツを中心としたフィクションをどのように考察していくのか、という点ではないでしょうか。コンテンツ文化史学会では、とっくの昔にこのような観点から例会や大会を開催していてもおかしくはないのですが、実は初めてのアプローチになります。取り上げるのが遅くなったのは、既に先行して存在する歴史学の小難しさが確実に存在し、且つ、史実か史実ではないかという二項的な価値観に落し込まれる可能性が大いに存在しえたからなのかもしれません。ただ、そのようなことを考えているのは私だけかもしれません。私は頭が悪いので歴史学とか何を言っているのか全然理解できませんし。その昔、「歴史」は「素材」ではないし、「消費」される対象ですらないと歴史学の某国立大教授に言われたことがあります。未だに何を言っているのか私には分かりません。

さて、「歴史」を意識するのは、どのような時か、ということを考えますと、例えば写真家の港千尋氏が『芸術回帰論』(平凡社新書、2012)の「歴史のイメージ」にて挙げているのが、映画であり、何より写真になります。確かに日本においては歴史的にも日清日論戦争時には大量の写真帖が作成されました。それ以前の西南戦争時とのメディアの違いは写真機および技術の発達と連動していると思います。この点は災害時におけるメディア報道を比べても同様でしょう(北原糸子『メディア環境の近代化 災害写真を中心に』御茶の水書房、2012)。記録から記憶へ、そして「歴史」へと昇華されうるわけですが、ここにモニュメントやランドマークも絡まりながらイメージの形成が行われていくことになります(羽賀祥二『史跡論』名古屋大学出版会、1998)。さらに言えば近代化遺産や、それに伴うツーリズム(ヘリテージツーリズム)も考えるべき点かもしれません。

ただし、これらに関しては常に事実を意識しながら、史実とされるものへと至るような気がしますが、今回の例会にて取り上げようとしているのは別のアプローチになります。「歴史」が描かれるフィクションをどのように捉えるべきか、という点です。

芸術回帰論 (平凡社新書)

メディア環境の近代化―災害写真を中心に (神奈川大学21世紀COE研究成果叢書―神奈川大学評論ブックレット)

史蹟論―19世紀日本の地域社会と歴史意識

「コンテンツと記憶」に向けて その5

明日になりました。コンテンツ文化史学会2012年大会が15日・16日と2日間にかけて開催されます。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

ぜひ、ご参加ください。当日になって急に時間ができたので、参加したくなったという方は、事前登録なしでそのまま受付に来てください。

初日はブログでも書きました「場所と記憶」というシンポジウムだけではなく、「いまいち萌えない娘」でお馴染みのいまもえ制作委員会・ディレクター矢野正樹さんに制作秘話をお話いただくことになっています。そう、「萌え」とは何かという根源的な点を今一度我々に考えさせてくれた「いまもえ」は、萌えの記憶という点で非常に重要なキャラクターに違いありません。

2日目は同じくブログに書いてきました「コンテンツとアーカイブ」のシンポジウムとともに、おにたまさんによる特別講演がございます。ソフト開発で著名なおにたまさんですが、アーケードゲームを中心とした昔のゲームの歴史についても非常に詳しい方です。活動の一端は以下のページより、ご覧いただけます。

http://onitama.tv/obsweb/pcb.html

その他、両日に渡って、自由論題・テーマ論題と様々な発表がございます。ぜひ、ご参加ください。それでは、登壇者の皆様も、参加される皆様も、委員の皆様も会場でお会いしましょう。

小説 いまいち萌えない娘

「コンテンツと記憶」に向けて その4

会長「では今度の大会テーマは「コンテンツとアーカイブ」で進めます、委員よ」
委員「断る!」

2行でまとめるとこうなります。委員といいますか、主に私ですが。さて、今回の大会テーマは「コンテンツと記憶」ですが、だらだらとブログで書いてきた内容を見ますと「コンテンツのアーカイブ」という名前でも良いような気がします。こちらのほうがテーマが明確ではないかという意見もあるでしょう。

しかし、アーカイブ化することは全てに適応できるのだろうか。という疑問があります。アーカイブの専門家からみれば、取るに足らない問題かもしれませんが、コンテンツのアーカイブはまだ始まったばかりと言える状況下で体系化されていない事象や事物は多々あるのではないだろうか、という疑問が払拭できずに、「記録」をより広げて「記憶」まで踏み込んでみました。その場合、各地に存在するモニュメントや史跡をめぐる研究や、移動する人々のイメージなども含めつつ、「場所」を軸として、コンテンツをからめながら考えることが出来るのではないだろうかと思いました。

そこで、初日のシンポジウムは「場所と記憶」として開催することになりました。先日、阿佐ヶ谷団地を舞台とした作品『ぼくらのよあけ』を完成させ、現在、『アリスと蔵六』をコミック・リュウに連載されている今井哲也さんを迎えて、クリエーター側が実際の場所を選ぶ際の動機や経緯についてお話いただく予定です。アニメ作品の舞台を訪れる「アニメ聖地巡礼」研究者として名高い岡本健さんをお迎えし、ゾンビ作品と移動性、地理的記憶などを「ゾンビ・ツーリズム」としてお話いただく予定です。そして、ドイツ現代史研究者である柳原伸洋さんとご著書『ニセドイツ』でドイツ文化を紹介されている伸井太一さんには、ノスタルジー研究とからめながら、ドイツイメージについてお話いただく予定です。

あくまで予定です。あと、関係ないですが、『まおゆう』の女騎士の声は沢城みゆきさんがやるのですね。素晴らしい。

そんなコンテンツ文化史学会の大会にご興味をもたれた方は以下から参加登録をお願いします。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンKC)

ニセドイツ〈1〉 ≒東ドイツ製工業品 (共産趣味インターナショナル VOL 2)

「コンテンツと記憶」に向けて その3

(……聞こえますか…コンテンツ文化史学会2012年大会に参加される皆さん、そして委員たちよ…事務局です…あなたの心に…直接…呼びかけています…いますべき事は24日にけいおんが放送されるよねーとか話し合うことでは…ありません…期日前投票です…16日にある衆議院選挙の投票日は大会と重なっているのです…聞こえますか…参加者の皆さんたちよ…… )

ということは結構、まじめな話ではあります。期日前投票には行きましょう。

さて、前回までの更新で「このコレクションは死後どうなりますか問題」を述べましたが、このような個人のコレクションレベルの話だけではありません。2011年、文化庁と国会図書館との間で「我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定」が結ばれ、ようやく国レベルでテレビや音楽、そしてマンガ、アニメ、ゲームのアーカイブ構築の第一歩が築かれることになりました。ようやく、と言いますか、イギリスのゲーム・アーカイブの事例を出すまでもなく、遅いという感想を抱かざるをえません。

しかし、立命館大学におけるゲーム・アーカイブの取り組みや、NPOであるゲーム保存協会の取り組みなど、個別に行われてきたことに対して一つの指標が見られるようになったのは大きいと考えられます。こういう事業は拙速な業績を求めるのではなく、長い目で進めて欲しいと門外漢の立場からの考えです。

2日目のシンポジウムは、ゲームに限らず、アニメ、漫画に関する、より実践的なお話が聞けるに違いありません。興味をもたれた方はぜひ、参加登録をお願いします。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)

映画 けいおん!  (Blu-ray 通常版)

「コンテンツと記憶」に向けて その2

その2です。続きました。さて、テレビでは森高千里が歌っていて、時間の経過を感じますね。ある意味で感じさせない面と感じさせる面と、というのは特に本文と関係ありません。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

話はオバサンになっているかどうかではなく、今度の本学会の大会です。15日(土)・16日(日)に開催されますので、ご参加を希望される方はぜひ事前登録をお願いします。懇親会もあります。気分は忘年会です。たぶん。

さて、コンテンツのアーカイブです。大会の「コンテンツと記憶」というテーマの一役を担うのがアーカイブの話です。前回のブログでも書きましたが、「俺が死んだらコレクションはどうなる問題」は実は歴史ある問題といいますか、コンテンツに限らなければ、江戸時代から収集家はたくさん存在したわけです。江戸時代においては物産会やら何やらで収集家が物を持ち寄って見せ合うことが多く行われ、長い目で見れば、離散し、と続いてきています。もちろん、そのような歴史的な流れの中で、様々な価値観が醸造されてきたというのも確かです(表智之「〈歴史〉の読出し/〈歴史〉の受肉化」『江戸の思想』7号、1997年)。しかし、近代化の流れの中で「好古」と呼ばれていた活動が、次第に収集や見せ合うだけではなく、展示・研究へと変化していきます(鈴木廣之『好古家たちの19世紀 幕末明治における《物》のアルケオロジー』吉川弘文館、2003年)

学問の近代化の中で、収集・展示も色々と淘汰されていくわけですが、こぼれ落ちていたような気がするのが、マンガやアニメ、ゲームなどのコンテンツではないでしょうか。と思ったのは、実は会長や私やらで少しだけ漫画の整理をしたことがありまして、普遍化されたメタデータ取得の方法では、「漫画」は「漫画」でしかないわけですが、漫画しか整理しない場合はそこからの細分化が必要になっていきます。そこで細かくやっていけばいくほど、デジタル化をしても、他のアーカイブとの連携からはどんどんと遠ざかっていく…というジレンマがありました(玉井建也・吉田正高「大井第一小学校寄贈漫画および児童文学資料について」『社会情報研究資料センターニュース』第21号、2011年)。今は頭のいい人が改善しているかもしれませんし、最先端の実地の取り組みを聞きたい!というのが、今回、裏方として活動する我々の底流にあります。

そこで2日目のシンポジウムは漫画に関して、既に開館している「米沢嘉博記念図書館」や、将来的に開館を目指している「東京国際マンガ図書館」の取り組みについて森川嘉一郎さんにご登壇いただき、お話いただきます。アニメに関しては一般社団法人日本動画協会で活動をされている増田弘道さんにご登壇いただき、動画協会のデータベースWGなどでの調査活動についてお話いただけると思います。ゲームに関しては日本デジタルゲーム学会の理事として活動されている遠藤雅伸さん、そしてご自身のコレクションをゲームミュージアムとして公開されているゲームアイドル杏野はるなさんにご登壇いただき、それぞれの取り組みについてお話いただけるはずです。と私は思っておりますが、実際のシンポジウムは違う話かもしれません。2日目の取りまとめ役は吉田会長ですので。

ザ・シングルス(通常盤)

好古家たちの19世紀―幕末明治における“物”のアルケオロジー (シリーズ・近代美術のゆくえ)

「コンテンツと記憶」に向けて その1

さて、半年ぶりのブログ更新になります。師走です。廊下を走って、「師走だからですか」と聞かれないようにしましょう(あずまんが大王ネタ)。2週間後には本学会の大会が開催されることになります。あっという間です。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

まずは大会に向けて、なぜ「コンテンツと記憶」というタイトルで行うことになったのかという経緯について説明をいたしましょう。昨年の大会は「オタク・ファン・マニア」というテーマで行われました。2日間行われた大会において、特に2日目の「オタクである覚悟」というシンポジウムは宇田川岳夫さん、永山薫さん、三崎尚人さん、伊藤剛さんという素晴らしい皆様にご登壇いただき、もはや大学の先生というよりオタクの先生としてお馴染みの本学会の吉田会長が司会として登場しました。

当然、これだけのメンバーが登壇すれば話の行きつく先の一つとしてはこれです。そう「自分が死んだ時、コレクションはどうなる問題」です。これはそう遠くない未来に、どっと押し寄せてくる問題でしょうし、今現在でもある程度の古物商の方々が舌舐めずりをして待っているのかもしれません。古物商の知り合いがおりませんので、想像ですが。

一昔前であれば、貴重なコレクションや骨董の一部は評価さえあれば博物館や資料館などに寄贈されるケースがありました。大学の先生であれば教鞭をとった大学の図書館や学内史料室などに寄贈され、○○文庫として公開されることもあります。最近は保存場所の問題などもあり、右から左に、ということでもないようですが、前例があるというのは大きいでしょう。何より一抹の不安はあれど何となく道筋を見出すことができます。しかし、大衆文化はどうでしょうか。カストリ雑誌は?コミケで買った同人誌は?○○で買ったときにについてきた特典は?まだ無名だった頃の○○が掲載されている○○は?と考え出すときりがありませんね。

そこで重要になってくるのがアーカイブの問題です。ゲーム、漫画、アニメ、その他諸々を保存・管理・運用し、後世へと伝えていくことが重要になってきます。重要とはいえ、具体的に考えるとどうなるのか、では、大会テーマとして取り上げてみよう。という流れが2012年当初の本学会の運営委員会での我々の会話でした。

わたし、気になります

気になります。先日、お送りした学会誌6号がいくつか返送されてきてしまって、これは会員の皆さんが4月に入って、引っ越しや異動で住所が変わってしまったからですよね。新しい住所が気になります…どころではなく、事務局にご連絡ください(真面目に)。

http://www.contentshistory.org/admission/modification/

こちらよりお送りください。

さて、あっという間に間近に迫ってきましたが、6月16日(土)には今年度第1回例会「コンテンツとライブ」が開催されます。会員の皆様、非会員の皆様の積極的なご参加をお待ちしております。本学会で音楽を取り上げるケースは、それほど多くありませんが、経済や産業論という枠組みだけではなく、ライブ空間というものに焦点を当ててみることで、議論が出来るのではないか、と考えて企画を立ち上げました。当日は新鮮な議論が出来るに違いありません。

http://www.contentshistory.org/2012/05/20/1152/

今回は会場の都合により完全事前参加登録制になっております。当日受付はありません。よろしくお願いします。

氷菓 (角川文庫)