キャラクター大会に向けて その5「ゆるキャラのどこが面白いんだ?」

にゃんぱすー(挨拶)

もうあと数日になりました。2013年キャラクター大会へのご参加を検討されている方はぜひ参加登録サイトから必要事項をご記入の上、送信ボタンを押してください。

さて、私は通勤途中にラジオをよく聞いてradikoやpodcastなど諸々活用しているのですが、先日の爆笑問題カーボーイを聞いていましたら、太田光が「ゆるキャラのどこが面白いのかわからない」という旨を述べていました。彼が述べていた根拠は「喋らない(テレビ的にアウト)」、「こちらが殴る等のアプローチをしなければならない(ワンパターンに陥る)」、「動けない(つまらない)」、「大きい(テレビの舞台裏は狭いから邪魔)」というものであったかと思います。

テレビ文化に生きるタレントとしての彼の意見は個人的には頷ける面もあるかと思っていますが、ゆるキャラ好きの人からすれば、彼が列挙した根拠は首肯できないものかもしれません。ともすれば、「だから良いんじゃないか」となりうるでしょう。何よりゆるキャラとされる存在は彼が欠点として挙げた点を売りにしている面があることも事実です。では、なぜ齟齬が生まれているのか。

一つには大きく文脈が違うという点があるでしょう。テレビメディアにおいて発声が出来ないゆるキャラは他の出演者が引き立て役になる必要があります。そのため共演者の労力が通常よりも大きくなり、厭われるというのは良く分かります。それに対し、ゆるキャラはご当地キャラや企業などのイメージ性を請け負って存在しているという文脈、さらにいえば物語性を内包しており、その出自がテレビ文化に溶け込むための身体性などを所持することを許さないわけです。あ、なお、ふなっしーはお笑い芸人枠です。あの妖精のせいでスギちゃんが確保していた笑っていいともの枠が一つ失われました。

スギちゃんには頑張っていただきたいわけですが(棒読み)、もう一つとして良く挙げられるのはゆるキャラが乱立しすぎるという点でしょう。数少ないゆるキャラに関する論文である平林千春「ソーシャルコンテンツによる地域活性化戦略の手法とその検証」(『東北芸術工科大学紀要』20号、2013年)では、「ソーシャルコンテンツ」を「「地域から誕生・発信され、地域活性化の媒介・ツール・シンボルとして、その地域の人々に需要・活用されているエンターテイメント性を有した精神文化の所産」(52p)と定義しています。つまりゆるキャラだけではなく、ご当地ヒーローやB級グルメなども含むことになります。この論文では、上手くいかないゆるキャラに対し「ただキャラクター化すればいいということではなく、プロモーションも含めて地域活性化戦略としてトータルにマネージメントされる必要性を垣間見せている。多くの成功したソーシャルコンテンツはそのコンテンツの質もあるが、むしろどういう浸透策を採ったかということが無視できない」(54p)と述べています。

要は作ればいいというわけではない、ということです。この点はコンテンツツーリズムにも同様に言えまして、作品の舞台になり、物語性が生まれれば、勝手に動き出す、などという甘い妄想が意外に頑迷と存在しております。せめて、井手口彰典先生の論文「萌える地域振興の行方. -「萌えおこし」の可能性とその課題について-」ぐらいは読んで考えてから、聞きに来てください、と言いたい。以上、実体験に基づく愚痴でした。井手口先生の論文はこちらでpdfにて読めますのでぜひ。

というわけで何述べたいかといいますと、初日のシンポジウムは参加者の皆さんで色々と考えましょうということです。建設的なご意見をお待ちしています。

アニメ・マンガで地域振興

n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性

キャラクター大会に向けて その4(俺ガイル!)

キャラクター大会が近づいてまいりました。今週末になります。ご参加を検討中の方はぜひともご登録をお願いいたします。参加費の値下げもいたしまして、学生さんは無料になりました。

さて、今回はキャラクターというのが一つのテーマですが、皆さんがイメージするのはどのようなものがあるでしょうか。シンポで取り上げる「ゆるキャラ」を筆頭とした地域や団体、組織のキャラクターというのも一つあるでしょう。2日目のシンポで取り上げますゲームや絵本、マンガで描かれるキャラクターというのも考えられます。

しかし、このようにメディアに表出されるキャラクターのみが着目すべき点でしょうか。今回、2日目の初回で発表していただく七邊信重さんの発表「「社会関係の拒絶」か「再帰的関係」か―コンテンツに見る「優しい関係」の出口―」では、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』などを取り上げるそうです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。第6巻 (初回限定版) [Blu-ray]

この作品はアニメ化・ゲーム化もされ、マンガ連載も進んでおりますので、ご存知の方も多いでしょうが、簡単にあらすじを説明しますと高校進学直後に交通事故にあい、入院していたため、友人ができないままの主人公八幡は「ぼっち」であることを指標していたが、それに対し教員により無理やり奉仕部に入部され、人付き合いの苦手な才女や友達作り(及び維持)に長けた少女、中二病全開のオタク…とデフォルメされているキャラクター群による学校生活が描かれています。個人的には『あやかしがたり』が日本史学の成果と妖怪物とを融合させた見事な作品であったために、『俺ガイル』が出てきたときは既視感満載の設定に頭を抱えたものでした。が、実力のある作家はそのような既視感も取っ払うことが出来るものだと感心したことも覚えています。「オリジナル」なんてものは既に存在しないので、この世には既視感しかないのですよ、という意見もあるかもしれません。

さておき、話をキャラクターに戻しますと、別にデフォルメされたキャラクターが魅力的だという話に帰着するわけではありません。もちろんデフォルメされているがゆえに非常にクリアに作中で描かれる情景が伝わってくるため「お前は俺か」と思う読者も多いでしょう。ちなみに私の好きなキャラは平塚先生です(さりげないフォロー)。ここで着目したいのは作中で描かれている若者たちが形成する人間関係、さらに言えばスクールカーストに関してです。

実はこのような学校制度内における若者自身のアイデンティティ形成や人間関係という問題はキャラクター研究でも非常に重視されています。2日目のシンポジウムにご登壇いただく、あいはらひろゆきさんは『キャラ化するニッポン』(相原博之名義)でも、この問題を取り上げており、若者のみならず現代において社会生活をする人々が如何に自らをキャラ化しているのかについて述べております。学校制度内に目を向けますと『キャラ化する/される子どもたち』(土井隆義)でも、過剰なほどに依存される関係性に着目をしております。さらに本学会学会誌にもご寄稿いただきました浅野智彦さんは若者全体に目を向けて、消費やコミュニケーションの問題を同時代的に取り上げて着目しています(『「若者」とは誰か: アイデンティティの30年』)。特に専門ではありませんので目についた著作をざっとめくっただけでも、学校制度内におけるスクールカーストや過剰なほど求められる人間関係、もしくはコミュニケーション不全が問題として認識される社会状況が既に存在することが理解できるのではないでしょうか。

もちろん、これは世代や個人、地域性によってかなり変化する問題だと思います。大学で教えていると学校によっては高校生までの生活を引きずっているのかスクールカーストが見事に形成されていたり、まったく気にせずにアニメの話をしている学生を見たり、と千差万別かもしれません。先日、授業で聞いたら、10代の学生があまり『俺ガイル』を読んでいない様子でしたので、驚きました…。共感しうる世代も違うのかもしれません。平塚先生、がんばってください。いや、渡航先生、がんばってください。

と、つらつらと書いてまいりましたが、七邊さんがこのような話をするかはわかりません。そもそも「自由論題」の枠組みで応募されていますし…当日をお楽しみに。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 (岩波ブックレット)

「若者」とは誰か: アイデンティティの30年 (河出ブックス 61)

キャラクター大会に向けて その3(値下げしました!)

今週末に本学会2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」が開催されます。毎年、会場費を支払う関係で、参加費を参加者の皆さまからいただいているのですが、実行委員長をしている私は「少し高いのではないだろうか」と少し懸念しておりました。そこで今年は再計算をし、少し値下げを敢行いたしました。こちらの参加登録サイトに掲示しておりますが、具体的にかきますと

非会員・両日:3000円 → 2000円
非会員・1日のみ:2000円 → 1000円
会員:1000円(両日・1日のみともに) → 500円
学生(非会員1000円、会員500円、ともに両日参加可能) → 全て無料。両日参加可能!

となります。ポイントは学生さんは無料という点です。学生に戻りたい。学生さんは遠慮なくご参加ください。学生であれば学校の種別や学校名は問いません。過去の参加者で一番若いのは中学生の方でした。超高校級ですね!というわけで引き続き、皆様のご参加をお待ちしております。

キャラクター大会に向けて その2

2回目です。前回の更新から1週間以上が経過し、あっという間に大会まで残り1週間となりました。参加を希望される方はぜひご登録ください。発表者の皆様は準備をお願いいたします。委員もそろそろ準備活動が本格化し始めますね。

さて前回のブログエントリでは初日シンポの話をしましたが、今回は2日目の「キャラクターの創造と活用」について簡単にご説明いたします。初日に関しては、いわゆる「ゆるキャラ」と呼ばれるものを中心として、地域社会とキャラクターとの関連に着目をしてシンポを企画いたしましたが、2日目はより広くキャラクターを取り上げ、クリエーターの方々がどのようにしてキャラクターを作り上げ、作品内で動かしていったのかについて語っていただこうと考え、行うことになります。当日の司会は本学会会長の吉田正高です。

ご登壇者ですが、あいはらひろゆきさんは絵本「くまのがっこう」やアニメ「がんばれ!ルルロロ」を手掛けるなど、クマのキャラクターでお馴染みの絵本作家です。

くまのがっこう (PICT.BOOK)

がんばれ!ルルロロ~あわあわおばけ~ [DVD]

また肩書にキャラ研代表とありますようにキャラクター研究も行っており、相原博之名義で『キャラ化するニッポン』を執筆されております。当日は絵本からアニメに至るまでご自身のキャラクターの創造から活用までお話しいただけることでしょう。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

 

はじめさんは『ウチのダンナはサラリーマン山伏』などのエッセイ漫画でも有名ですが、キャラクター展開をしている「あおくび大根」の生みの親としても著名な方です。

ウチのダンナはサラリーマン山伏 (コンペイトウ書房)

あおくび大根―わびさび日記

当日は「あおくび大根」の創作秘話をお話しいただける予定です。

あおくび大根 ちび大根ぬいぐるみ(クレヨン)

齊藤祐一郎さんはゲーム会社スパイク・チュンソフトに所属されているクリエーターの方ですが、大ヒット作品である『ダンガンロンパ』シリーズを手掛けられまております。

ダンガンロンパ1・2 Reload

 

超高校生級の方もぜひ学会にご参加を!アニメも大好評でした。

ダンガンロンパ The Animation 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]

そしてモノグマの印象が深いダンガンロンパですが、齋藤さんのトークへの特別ゲストとしてクマ界では外せない森チャックさんをお呼びいたしました。

森チャック スパルタ マッサージ

 

グル~ミ~や汎用うさぎなど様々なキャラクターを手がけられておりますので、一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。

以上のように素晴らしいゲストの皆様にご登壇いただきまして、2日目のシンポジウムを進めていきたいと思います。吉田さん、がんばってください。クマ率が高いですね。

1/700 ウォーターラインシリーズ No.316 1/700 日本海軍 軽巡洋艦 球磨 31316

キャラクター大会に向けて その1

皆さん、艦これをやっていますか。イベントクリアは出来ていますか。私の旗艦は金剛です。改二です。たまにうるさいです。

さて、今年の本学会の大会テーマは「キャラクターを作る/動かす/考える」になります。昨年、特別講演としまして、「いまいち萌えない娘」に関して矢野正樹(いまもえ制作委員会・ディレクター)さんに「萌える?萌えない?いまいち萌えない娘」というタイトルでご発表いただきました。それを踏まえて、今年は「キャラクターに焦点を当ててみよう」と委員会にて誰かが言い出して、そのままのノリで大会テーマになったわけです。今年は私が大会運営委員長という名の事務その他総括係を担当しています。

「いまいち萌えない娘」が神戸をフィーチャーしたキャラクターであるという点、さらには近年、話題の「ゆるキャラ」が押し並べて諸地域に関連したものであることを鑑みまして、初日のテーマは「地域社会とキャラクター」になります。瑞浪市化石博物館学芸員である安藤佑介さんには博物館のキャラクターである瑞浪Mioに関してお話いただきます。SSS合同会社CEOである小田恭央さんには東北地方の企業であればライセンスフリーである「東北ずん子」についてお話いただきます。最近、小説が出ました。そして、ゆるキャラといえば「ひこにゃん」ということで彦根市産業部観光振興課長 兼 フィルムコミッション室長 兼 コンベンションサービス室長である野﨑孝志さんには、ひこにゃんの誕生についてお話いただきます。

先日、「ご当地キャラ博 in 彦根」が開催され、今度の24日に「ゆるキャラグランプリ」が開かれるというタイミングですので、それに関するお話も聞けるかもしれません。

そしてコメンテーターには「聖地巡礼」といえば、この人ということで柿崎俊道さんにご登壇いただきます。多くの土地と地域コンテンツの活用を目にしてこられ、そして聖地巡礼プロデューサーとしても活動されている柿崎さんから総括的なお話をお聞き出来ればと思います。

以上のような感じで初日のシンポを開催します。2日目に関してはまた後日、更新します。

ひこにゃん/ぬいぐるみ Mサイズ

東北ずん子  「むちむち」じゃありません! 「もちもち」です!

VOICEROID+ 東北ずん子

小説 いまいち萌えない娘

聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり

1/700 特シリーズ No.83 日本海軍高速戦艦 金剛 昭和16年 (1941年)

コンテンツ文化史学会2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」のお知らせ(参加登録開始)

コンテンツ文化史学会では、来る12月7日(土)、8日(日)に2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」を開催いたします。参加される場合は、参加申込サイトより登録をお願いいたします。また、7日(土)の夜に懇親会を予定しております。こちらのご参加もお待ちしております。

【12月3日追記】会場費を勘案した結果、参加費を値下げいたしました。学生さんは学生証を受付でご提示いただければ全て無料です。そのほかの方も一律値下げしております。ぜひ、ご参加ください。

 

 

○趣旨説明

本学会では、これまで創作の場や消費者・評価者の歴史や文化について考察が行われ、さらに個々のコンテンツをめぐる記憶や記録の問題に踏み込んできた。特に昨年度の大会で行われた「いまいち萌えない娘」の制作側の観点からの講演を受けて、人々の記憶に残る「キャラクター」の問題を今一度取り上げ、追求する必要性があると考え、今年度の大会では「キャラクター」を様々な観点から考察することにする。
キャラクターをめぐる問題としては複数の視点を指摘することができる。一つとしては地域社会との関連をどのように考えるのかという点である。「ゆるキャラ」とされるキャラクター活用だけではなく、歴史的・地域的なイメージを物語として、さらには「キャラクター」として活用している事例は多数存在する。もう一つはクリエーター側の観点から「キャラクター」をどのように考えるのかという点である。魅力的なキャラクターのイラストや映像・音楽など様々な媒体における活用方法だけではなく、マンガやアニメ、ゲームなど物語の中でいかに動かしていくのかという点も含む。さらに3つ目の点としては、これらの「キャラクター」をめぐる様々な位相を学問として、どのように捉えるのかという点である。
全ての点において、これまで本学会大会が考察してきた制作・消費へと至るための基礎的かつ重要な問題である。今後のコンテンツ研究の発展のために活発な議論を期待したい(玉井建也)。

【概要】

○大会テーマ:

「キャラクターを作る/動かす/考える」

○開催日:

2013年12月7日(土)・8日(日)

○場所:

東海大学高輪キャンパス4号館4304
http://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/takanawa/

○参加費:

非会員・両日:3000円 → 2000円
非会員・1日のみ:2000円 → 1000円
会員:1000円(両日・1日のみともに) → 500円
学生(非会員1000円、会員500円、ともに両日参加可能) → 全て無料。両日参加可能!

懇親会費:5000円、参加費とは別途お支払いいただきます。

○参加申込フォーム:

http://www.contentshistory.org/event_entry/

○タイムスケジュール

12月7日(土)

10:30~11:00 総会

<自由論題発表>
11:00~11:30
日高良祐(東京芸術大学大学院 博士後期課程)
「DTM文化の盛衰―1990年代のアマチュア・ミュージシャンによるMIDIデータ流通―」

11:30~12:00
高橋聡太(東京芸術大学大学院 音楽研究科 音楽文化学専攻 芸術環境創造領域 博士後期課程)
「呼び屋と聴衆―戦後日本のポピュラー音楽産業における招聘コンサートの文化史―」

(昼休み)

13:00~13:30
横えび(石川をぷよぷよで染める会・電書部)
「IPSはなぜ潰れないのか? ―石川をぷよぷよで染める会 17年のキセキ―」

<テーマ発表>
13:30~14:00
石垣尚志(東海大学)「映画・映像コンテンツと地方都市の映画館」

14:15~17:30
<シンポジウム>「地域社会とキャラクター」
司会:玉井建也

登壇者
安藤佑介(瑞浪市化石博物館学芸員) 「古生物のイメージキャラクター瑞浪Mio(ミオ)とコンテンツの展開‐地方博物館にもたらしたもの‐」
小田恭央(SSS合同会社CEO) 「東北ずん子という新しいライセンス形態」
野﨑孝志(彦根市産業部観光振興課長 兼 フィルムコミッション室長 兼 コンベンションサービス室長) 「ご当地キャラ「ひこにゃん」のまち・彦根~地域資源のブラッシュアップを土台に「ひこにゃん」を生み出した手法について~」

コメンテーター
柿崎俊道(聖地巡礼プロデューサー)

18:00~ 懇親会(東海大学高輪キャンパス食堂)

12月8日(日)

<自由論題発表>
10:30~11:00
七邊信重((一般財団法人マルチメディア振興センター))
「「社会関係の拒絶」か「再帰的関係」か―コンテンツに見る「優しい関係」の出口―」

11:00~11:30
成田隆昭(コンテンツ文化史学会会員)
「韓国ロボットアニメに見る日本コンテンツからの影響について
―70年代から80年代の韓国ロボットアニメを通して―」

<テーマ発表>
11:30~12:00
原田伸一朗(静岡大学大学院情報学研究科講師)
「キャラクターの「人権」―法学的人間の拡張と臨界―」

(昼休み)

13:00~13:30
西貝 怜(和光大学総合文化研究所)
「宇宙・科学者・幸福―荒木哲郎監督アニメ『ギルティクラウン』における結晶と人の関係について―」

13:30~14:00
川﨑瑞穂(国立音楽大学大学院 音楽研究科 博士後期課程)
「『サクラ大戦』のキャラクター設定にみる宝塚・松竹歌劇団の影響‐「歌劇団の系譜学」試論‐」

14:15~17:30
<シンポジウム>「キャラクターの創造と活用」
司会:吉田正高

登壇者
あいはらひろゆき(絵本作家・株式会社キャラ研代表取締役) 「絵本キャラクターの育て方~くまのがっこうのケース」
はじめ(マンガ家・イラストレーター・専門学校非常勤講師) 「それはラクガキからはじまった あおくび大根誕生からキャラクターグッズになるまで」
齊藤祐一郎スパイク・チュンソフト) 「絶望の中から希望をたぐり寄せるプロジェクト~ダンガンロンパ」
特別ゲスト:森チャック(イラストレーター、アーティスト、キャラクターデザイナー)

○2013年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:玉井建也(東京大学)
顧問:出口弘(東京工業大学)
委員:飯田幸次郎(デザイナー)
委員:板垣貴幸(IGDA日本)
委員:井上明人(国際大学)
委員:大橋正司(デザイナー)
委員:岡本健(奈良県立大学)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:佐藤寿昭(東京大学大学院学際情報学府修士課程)
委員:高橋勝輝(編集屋)
委員:中川譲(日本映画大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学高等学院非常勤講師)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:七邊信重(一般財団法人マルチメディア振興センター)
委員:藤原正仁(専修大学)
委員:堀内淳一(学習院大学)
委員:柳原伸洋(東海大学)
委員:山口晶子(上智大学大学院)
委員:山中智省(ライトノベル研究会)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)

コンテンツ文化史学会2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」のお知らせ(第1報)

コンテンツ文化史学会では、来る12月7日(土)、8日(日)に2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」を開催いたします。参加は登録制になっております。参加申込サイトは後日、お知らせいたしますので、少しお待ちください。

○趣旨説明

本学会では、これまで創作の場や消費者・評価者の歴史や文化について考察が行われ、さらに個々のコンテンツをめぐる記憶や記録の問題に踏み込んできた。特に昨年度の大会で行われた「いまいち萌えない娘」の制作側の観点からの講演を受けて、人々の記憶に残る「キャラクター」の問題を今一度取り上げ、追求する必要性があると考え、今年度の大会では「キャラクター」を様々な観点から考察することにする。
キャラクターをめぐる問題としては複数の視点を指摘することができる。一つとしては地域社会との関連をどのように考えるのかという点である。「ゆるキャラ」とされるキャラクター活用だけではなく、歴史的・地域的なイメージを物語として、さらには「キャラクター」として活用している事例は多数存在する。もう一つはクリエーター側の観点から「キャラクター」をどのように考えるのかという点である。魅力的なキャラクターのイラストや映像・音楽など様々な媒体における活用方法だけではなく、マンガやアニメ、ゲームなど物語の中でいかに動かしていくのかという点も含む。さらに3つ目の点としては、これらの「キャラクター」をめぐる様々な位相を学問として、どのように捉えるのかという点である。
全ての点において、これまで本学会大会が考察してきた制作・消費へと至るための基礎的かつ重要な問題である。今後のコンテンツ研究の発展のために活発な議論を期待したい(玉井建也)。

【概要】

○大会テーマ:

「キャラクターを作る/動かす/考える」

○開催日:

2013年12月7日(土)・8日(日)

○場所:

東海大学高輪キャンパス4号館4304
http://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/takanawa/

○参加費:

非会員・両日:3000円
非会員・1日のみ:2000円
会員:1000円(両日・1日のみともに)
学生(非会員1000円、会員500円、ともに両日参加可能)

懇親会費:5000円(予定)、参加費とは別途お支払いいただきます。

○タイムスケジュール

12月7日(土)

10:30~11:00 総会

<自由論題発表>
11:00~11:30
日高良祐(東京芸術大学大学院 博士後期課程)
「DTM文化の盛衰―1990年代のアマチュア・ミュージシャンによるMIDIデータ流通―」

11:30~12:00
高橋聡太(東京芸術大学大学院 音楽研究科 音楽文化学専攻 芸術環境創造領域 博士後期課程)
「呼び屋と聴衆―戦後日本のポピュラー音楽産業における招聘コンサートの文化史―」

(昼休み)

13:00~13:30
横えび(石川をぷよぷよで染める会・電書部)
「IPSはなぜ潰れないのか? ―石川をぷよぷよで染める会 17年のキセキ―」

<テーマ発表>
13:30~14:00
石垣尚志(東海大学)「映画・映像コンテンツと地方都市の映画館」

14:15~17:30
<シンポジウム>「地域社会とキャラクター」
司会:玉井建也

登壇者
安藤佑介(瑞浪市化石博物館学芸員)
小田恭央(SSS合同会社CEO)
野﨑孝志(彦根市産業部観光振興課長 兼 フィルムコミッション室長 兼 コンベンションサービス室長)

コメンテーター
柿崎俊道(聖地巡礼プロデューサー)

18:00~ 懇親会

12月8日(日)

<自由論題発表>
10:30~11:00
七邊信重((一般財団法人マルチメディア振興センター))
「「社会関係の拒絶」か「再帰的関係」か―コンテンツに見る「優しい関係」の出口―」

11:00~11:30
成田隆昭(コンテンツ文化史学会会員)
「韓国ロボットアニメに見る日本コンテンツからの影響について
―70年代から80年代の韓国ロボットアニメを通して―」

<テーマ発表>
11:30~12:00
原田伸一朗(静岡大学大学院情報学研究科講師)
「キャラクターの「人権」―法学的人間の拡張と臨界―」

(昼休み)

13:00~13:30
西貝 怜(和光大学総合文化研究所)
「宇宙・科学者・幸福―荒木哲郎監督アニメ『ギルティクラウン』における結晶と人の関係について―」

13:30~14:00
川﨑瑞穂(国立音楽大学大学院 音楽研究科 博士後期課程)
「『サクラ大戦』のキャラクター設定にみる宝塚・松竹歌劇団の影響‐「歌劇団の系譜学」試論‐」

14:15~17:30
<シンポジウム>「キャラクターの創造と活用」
司会:吉田正高

登壇者
あいはらひろゆき(絵本作家・エッセイスト、代表作「くまのがっこう」、「がんばれ!ルルロロ」)
はじめ(マンガ家・イラストレーター・専門学校非常勤講師、代表作「あおくび大根」、「ウチのダンナはサラリーマン山伏」)
齊藤祐一郎スパイク・チュンソフトゲームプロデューサー、代表作ダンガンロンパシリーズ、コンセプションシリーズ)

○2013年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:玉井建也(東京大学)
顧問:出口弘(東京工業大学)
委員:飯田幸次郎(デザイナー)
委員:板垣貴幸(IGDA日本)
委員:井上明人(国際大学)
委員:大橋正司(デザイナー)
委員:岡本健(奈良県立大学)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:佐藤寿昭(東京大学大学院学際情報学府修士課程)
委員:高橋勝輝(編集屋)
委員:中川譲(日本映画大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学高等学院非常勤講師)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:七邊信重(一般財団法人マルチメディア振興センター)
委員:藤原正仁(専修大学)
委員:堀内淳一(学習院大学)
委員:柳原伸洋(東海大学)
委員:山口晶子(上智大学大学院)
委員:山中智省(ライトノベル研究会)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)

コンテンツ文化史学会2013年第2回例会「テレビ文化の歴史と表象としての少女-「魔法少女」をめぐって-」のお知らせ(参加登録開始)

コンテンツ文化史学会では、来る9月7日(土)に2013年第2回例会「テレビ文化の歴史と表象としての少女-「魔法少女」をめぐって-」を開催いたします。参加ご希望の方はお手数ですが参加申込フォームよりお申込みください。

【2013年9月3日追記】多数の申込ありがとうございました。会場の都合により参加申込を停止させていただきます。

 

コンテンツ文化史学会2013年第2回例会「テレビ文化の歴史と表象としての少女-「魔法少女」をめぐって-」

今年はテレビ放送開始60年およびクリィミーマミ30周年という記念すべき年になります。そこで本学会では、テレビ文化の歴史において欠かすことの出来ない「少女」像を検討すべく例会を開催いたします。特にドラマやアニメにおいて数多く描かれ、そして現在に至るまで放送されている「魔法少女」を中心に取り上げることで、その歴史性や社会性などを追究していきたいと考えております。
評論家として活躍されている氷川竜介氏、ライトノベル作家であり「魔法少女」研究を行われている大橋崇行氏、そしてゲームクリエーターであり、アニメ評論の場でも活動されている三宅陽一郎氏をお招きし、さらには一般発表としまして、今泉友介氏、中澤拓哉氏の投稿を受け付けました。歴史的な側面から現在の「魔法少女」に至るまで多面的な議論が行われることを期待いたします。

日時:

2013年9月7日(土) 12時半開場、13時開始

場所:

学習院大学 西2号館305号室
http://www.gakushuin.ac.jp/mejiro.html

参加費:

500円(会員は無料)

参加申込ページ

http://www.contentshistory.org/event_entry/
会場の都合により参加人数が限られます。多数のご参加申込の場合は打ち切らせていただく可能性がございます。こまめに学会ウェブサイトをご確認くださいますよう、お願い申し上げます。なお終了後に懇親会開催を予定しております。こちらもあわせてご参加ください。

【2013年9月3日追記】参加申込多数により停止させていただきました。ご了解ください。

司会:

吉田正高 (東北芸術工科大学)

登壇者:

氷川竜介(評論家)
大橋崇行(岐阜工業高等専門学校、ライトノベル作家)
三宅陽一郎(ゲームAI研究者)
吉田正高(東北芸術工科大学)

一般発表

今泉友介(国際基督教大学大学院)「魔法少女 パロディから王道へと至る」
中澤拓哉(東京大学大学院)「魔法少女は偽史を紡ぐ-『ストライクウィッチーズ』における歴史の取捨選択」

タイムスケジュール

13:00-13:10 趣旨説明
13:10-13:50 第一報告(今泉報告)
13:50-14:30 第二報告(中澤報告)
14:30-14:40 休憩
14:40-15:20 登壇者発表
15:20-16:00 登壇者発表
16:00-16:10 休憩
16:10-17:10 総合討論

当日はラウンドテーブルの形式を取る関係上、タイムスケジュール通り進行しない場合がございます。
ご注意いただければ幸いです。

コミックマーケット84参加のお知らせ

下記の要領でコミックマーケット84に参加いたします。お近くに御寄りの際は足をお運びください。頒布物は『コンテンツ文化史研究』8号が中心となります。

【日  時】 2013年8月11日(日)
【場  所】 東京有明ビッグサイト
【サークル名】 コンテンツ文化史学会
【配  置】 東地区 O – 04 a
【頒 布 物】 『コンテンツ文化史研究』2・3・4・5・6・7・8号、2012年大会予稿集
【価  格】 『コンテンツ文化史研究』各2000円、予稿集500円
【搬 入 数】 各10〜30部ほど

『コンテンツ文化史研究』8号発行のお知らせ

発行が遅くなりご迷惑をおかけしておりました『コンテンツ文化史研究』8号ですが、今月中に会員の皆様のお手元に届きます。今少しお待ちいただければ幸いです。

『コンテンツ文化史研究』8号目次

自由投稿論文

山口晶子「アニメイベントにおける体験の共有—最終回上映会ライブビューイング参加者へのインタビューから—」
玉井建也・吉田正高「一九七〇年代初頭における自主制作アニメの取り組みと文化的状況—『つるのすごもり』をめぐって—」
高橋みちな「ライブという場の現代的様相とその機能に関する探索的研究—Twitterで繋がるお笑いオーディエンスの事例から—」
クラマー羽奈江「芥川光蔵と満鉄映画班」

特集:コンテンツとファッション-装いの文化史をめぐって-

青木淳子「雑誌『皇族画報』にみる近代皇族ファッションのイメージ—軍服とドレス」
渡辺明日香「<ファッション>のオルタナティブとしてのストリートファッション」

書評

牧 和生「書評岡本健『n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性』」
川﨑瑞穂「書評濱野智史『前田敦子はキリストを超えた——〈宗教〉としてのAKB48』」