コンテンツ文化史学会2013年大会発表募集のお知らせ

コンテンツ文化史学会では、来る12月7日(土)、8日(日)に2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」を開催いたします。

 

○趣旨説明

本学会では、これまで創作の場や消費者・評価者の歴史や文化について考察が行われ、さらに個々のコンテンツをめぐる記憶や記録の問題に踏み込んできた。特に昨年度の大会で行われた「いまいち萌えない娘」の制作側の観点からの講演を受けて、人々の記憶に残る「キャラクター」の問題を今一度取り上げ、追求する必要性があると考え、今年度の大会では「キャラクター」を様々な観点から考察することにする。
キャラクターをめぐる問題としては複数の視点を指摘することができる。一つとしては地域社会との関連をどのように考えるのかという点である。「ゆるキャラ」とされるキャラクター活用だけではなく、歴史的・地域的なイメージを物語として、さらには「キャラクター」として活用している事例は多数存在する。もう一つはクリエーター側の観点から「キャラクター」をどのように考えるのかという点である。魅力的なキャラクターのイラストや映像・音楽など様々な媒体における活用方法だけではなく、マンガやアニメ、ゲームなど物語の中でいかに動かしていくのかという点も含む。さらに3つ目の点としては、これらの「キャラクター」をめぐる様々な位相を学問として、どのように捉えるのかという点である。
全ての点において、これまで本学会大会が考察してきた制作・消費へと至るための基礎的かつ重要な問題である。今後のコンテンツ研究の発展のために活発な議論を期待したい(玉井建也)。

【概要】

○大会テーマ:

「キャラクターを作る/動かす/考える」

○開催日:

2013年12月7日(土)・8日(日)

○場所:

東海大学高輪キャンパス4号館4304
http://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/takanawa/

○研究発表の種類と時間

・研究発表は以下の2種類があります。両方ともに口頭発表になります。

  1. テーマ発表
  2. 自由論題発表

・テーマ発表は大会テーマ「キャラクターを作る/動かす/考える」に関連する発表になります。
・自由論題発表は大会テーマ以外でコンテンツ文化史に関連する研究発表になります。
・発表時間は2種類とも質疑応答を含めて30分といたします。
・発表申込は1人につき1種類、1報告のみです。
・なお自由論題において大会テーマとは別のテーマ立てによる企画セッションとしての申込も可能です。一つのセッションの司会者・発表者をまとめた上で代表者が応募してください。

○発表申込方法:
・発表申込は本学会会員に限ります。連名で申し込む場合は第一発表者が会員である必要があります。
・報告を希望される方は、所属機関・氏名・報告論題・発表原稿(2000字以上)を2013年9月15日必着でウェブサイトの投稿フォームよりお送りください。
※投稿フォーム: http://www.contentshistory.org/journal/contribution_form/
・採否は、9月末までにご連絡いたします。
・なお投稿される発表原稿は本学会の執筆要綱に準拠いたします。執筆要綱を守られていない場合は受け付けないのでご注意ください。
・採択された原稿は、当日配布の予稿集に掲載いたします。
・学会誌『コンテンツ文化史研究』では、大会特集コーナーを組み、大会で発表された論文の投稿を受け付ける予定です。

○2013年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:玉井建也(東京大学)
顧問:出口弘(東京工業大学)
委員:飯田幸次郎(デザイナー)
委員:板垣貴幸(IGDA日本)
委員:井上明人(国際大学)
委員:大橋正司(デザイナー)
委員:岡本健(奈良県立大学)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:佐藤寿昭(東京大学大学院学際情報学府修士課程)
委員:高橋勝輝(編集屋)
委員:中川譲(日本映画大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学高等学院非常勤講師)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:七邊信重(一般財団法人マルチメディア振興センター)
委員:藤原正仁(専修大学)
委員:堀内淳一(学習院大学)
委員:柳原伸洋(東海大学)
委員:山口晶子(上智大学大学院)
委員:山中智省(ライトノベル研究会)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)

コンテンツ文化史学会第2回例会 発表募集のお知らせ

今年はテレビ放送開始60年およびクリィミーマミ30周年という記念すべき年になります。そこで本学会では、テレビ文化の歴史において欠かすことの出来ない「少女」像を検討すべく例会を開催いたします。特にドラマやアニメにおいて数多く描かれ、そして現在に至るまで放送されている「魔法少女」を中心に取り上げることで、その歴史性や社会性などを追究していきたいと考えております。
既に氷川竜介氏、大橋崇行氏、三宅陽一郎氏、吉田正高氏の登壇が決定しておりますが、多くの皆様とラウンドテーブルを開催し、「魔法少女」について論点を交わしたいと考え、発表者の募集を行います。若い研究者の方々の、フレッシュな意見を期待しています。

日時:

2013年9月7日(土)

場所:

学習院大学 西2号館305号室

登壇者:

氷川竜介(評論家)、大橋崇行(岐阜工業高等専門学校、ライトノベル作家)、三宅陽一郎(ゲームAI研究者)、吉田正高(東北芸術工科大学)

募集要項

例会テーマ

「テレビ文化の歴史と表象としての少女-「魔法少女」をめぐって-」

○発表に関する共通事項

・「魔法少女」に関連する研究発表になります。
・2013年12月に予定している大会と重複する研究テーマ・内容の発表も可能です。
・今回はラウンドテーブルとしての発表になります。各登壇者が自由に発言・発表していく形式になります。
・目安として発表時間は20分前後となりますが、当日の司会進行により大きく変化します。

○発表申し込み方法

・発表申込は本学会会員に限ります。
・会員でない方は、申込前に入会申込手続きをすれば、仮入会として申し込むことができます。
・発表をする方は、学会費の納入(2013年度分まで完納)が必要です(当日納入も可)。
・発表申込は1人につき1報告のみです。

・報告を希望される方は、所属機関・氏名・報告論題・発表概要(A4版1枚程度)を、2013年8月16日(金)までにウェブサイトの投稿フォームよりお申し込みください。
※投稿フォーム: http://www.contentshistory.org/journal/contribution_form/
・発表概要に基づき、査読を行います。採否を8月中にご連絡します。

「コンテンツと歴史」に向けて その2

その2です。毎回、何を書くか全く考えずにキーボードを打ち始めるので大変です。面倒とも言い替えることも可能。今度の例会は7月7日(日)に開催されますので、ぜひ、ご参加ください。

さて、その例会のタイトルは「コンテンツと歴史」ですが、取り上げるテーマの一つに「歴史ファン」が挙げられます。従来の歴史学では、作品を受容するファンを取り上げる研究は皆無と言っても良い状況であったかもしれません。例えば、司馬遼太郎や松本清張、中里介山、島崎藤村…と様々な作家を取り上げ、その思想について考察するというのが、比較的オーソドックスな研究と言えるでしょう。それでもナラティブな研究を行うこと自体、歴史学内部においては先進的な状況であったと捉えることも可能です。

しかし、そのような歴史学の研究状況と相反するように「歴史ファン」の動きは様々な変容を見せています。藤本由香里さんが書かれているように『ベルサイユのばら』の連載に対して編集側から「女子供に歴史物は受けない」と反対されたと言います(藤本由香里「「女たちは歴史が嫌い」か?-少女マンガの歴史ものを中心に-」長野ひろ子・姫岡とし子編『歴史教育とジェンダ- ― 教科書からサブカルチャ-まで』青弓社、2011)。もちろん、その後の大ヒットや現在の「歴女」の存在などを考えれば、検討違いであることは間違いないでしょう。藤本さんが書かれているように、これまで語られてきた「歴史」とされるものが男性主体であるがゆえに女性主体の物語を作る場合、史実から離れる必要があった、裏返せば男性が描く、男性に向けた物語は常に史実を意識する必要があったわけです。しかし、そのなかにおいて「戦国BASARA」のような惹きつけるコンテンツが登場してくる土壌が生成されたと考えることは可能です。

では、「歴女」という人々はどのような趣味嗜好を持っているのか、という点に着目されたのが、今回の例会で発表される堀内淳一さんです。既に『コンテンツ文化史研究』第6号にて「歴史コンテンツの受容と消費者の意識 ―「新選組」コンテンツに関する調査報告―」を発表されています。アンケート結果を通じて、「歴女」とされる人々について詳細に考察されております。論文は一回の調査結果になりますが、その後もアンケート調査を続けられており、例会発表ではより総体的な発表になると思います。

歴史学のナラティヴ―民衆史研究とその周辺

歴史教育とジェンダー―教科書からサブカルチャーまで (青弓社ライブラリー)

ベルサイユのばら 1 (集英社文庫)

戦国BASARA HD Collection

「コンテンツと歴史」に向けて その1

まさかの今年初のブログ更新になります。忘れていたわけではありませんが、一人で編集・研究・広報と動かしているとブログ更新にまで、なかなかたどり着けませんね。

さておき、既に告知が出されているように今度の7月7日(日)に今年度の第1回例会が開催されます。タイトルは「コンテンツと歴史」。誰も言及しないので、ここに書いておきますと、チラシは「歴史とコンテンツ」になっておりますが、並列ですので、どちらでも良いです。

「歴史」を考える際、決して無視できないのが、漫画・アニメ・ゲーム・映画・小説等々のコンテンツを中心としたフィクションをどのように考察していくのか、という点ではないでしょうか。コンテンツ文化史学会では、とっくの昔にこのような観点から例会や大会を開催していてもおかしくはないのですが、実は初めてのアプローチになります。取り上げるのが遅くなったのは、既に先行して存在する歴史学の小難しさが確実に存在し、且つ、史実か史実ではないかという二項的な価値観に落し込まれる可能性が大いに存在しえたからなのかもしれません。ただ、そのようなことを考えているのは私だけかもしれません。私は頭が悪いので歴史学とか何を言っているのか全然理解できませんし。その昔、「歴史」は「素材」ではないし、「消費」される対象ですらないと歴史学の某国立大教授に言われたことがあります。未だに何を言っているのか私には分かりません。

さて、「歴史」を意識するのは、どのような時か、ということを考えますと、例えば写真家の港千尋氏が『芸術回帰論』(平凡社新書、2012)の「歴史のイメージ」にて挙げているのが、映画であり、何より写真になります。確かに日本においては歴史的にも日清日論戦争時には大量の写真帖が作成されました。それ以前の西南戦争時とのメディアの違いは写真機および技術の発達と連動していると思います。この点は災害時におけるメディア報道を比べても同様でしょう(北原糸子『メディア環境の近代化 災害写真を中心に』御茶の水書房、2012)。記録から記憶へ、そして「歴史」へと昇華されうるわけですが、ここにモニュメントやランドマークも絡まりながらイメージの形成が行われていくことになります(羽賀祥二『史跡論』名古屋大学出版会、1998)。さらに言えば近代化遺産や、それに伴うツーリズム(ヘリテージツーリズム)も考えるべき点かもしれません。

ただし、これらに関しては常に事実を意識しながら、史実とされるものへと至るような気がしますが、今回の例会にて取り上げようとしているのは別のアプローチになります。「歴史」が描かれるフィクションをどのように捉えるべきか、という点です。

芸術回帰論 (平凡社新書)

メディア環境の近代化―災害写真を中心に (神奈川大学21世紀COE研究成果叢書―神奈川大学評論ブックレット)

史蹟論―19世紀日本の地域社会と歴史意識

コンテンツ文化史学会2013年第1回例会「コンテンツと歴史」のお知らせ

コンテンツ文化史学会では、来る7月7日(日)に2013年第1回例会「コンテンツと歴史」を開催いたします。参加ご希望の方はお手数ですが参加申込フォームよりお申込みください。

・コンテンツ文化史学会2013年第1回例会「コンテンツと歴史」

・概要

歴史学において史実かどうかという二項的な議論に陥る傾向にある媒体として小説や漫画、ゲーム、アニメ、映画などのコンテンツをあげることができる。「実証主義」とされる歴史学との相対化は常に意識されうる点であるが、本学会では「歴史」がどのように表現・消費されているのかを検討し、研究としてどのように捉えるのかを考えるために「コンテンツと歴史」として例会を開催する。
新撰組の「聖地」の一つとして挙げられる日野にある新撰組ふるさと歴史館の学芸員である松下尚氏には館の取り組みをもとに、施設と歴史ファンとの関係性についてお話いただく。「歴女」の調査活動を行っている堀内淳一氏には、詳細なデータから、これまで曖昧であった「歴女」イメージについてお話いただく。『HELLSING』、『朝霧の巫女』、『ドリフターズ』、『ナポレオン -獅子の時代-』など「歴史」に関する作品を多く発行している少年画報社にて編集として活動されている筆谷芳行氏には、編集側から見た漫画表現についてお話いただく。以上のように博物館・歴史ファン・出版社と様々な角度から「歴史」について検討を行う。活発な議論を期待する(玉井建也)。

・日時:

7月7日(日) 12時半開場、13時開始

・場所:

芝浦工業大学・豊洲キャンパス交流棟401号室
http://www.shibaura-it.ac.jp/about/campus_toyosu.html

・参加費:

500円(会員は無料)

・参加申込ページ

http://www.contentshistory.org/event_entry/
当日参加につきましては申込の状況に応じアナウンスさせていただきますので、こまめに学会ウェブサイトをご確認くださいますよう、お願い申し上げます。なお終了後に懇親会開催を予定しております。こちらもあわせてご参加ください。

・司会:

吉田正高 (東北芸術工科大学)

・発表者:

松下尚(新撰組ふるさと歴史館)
堀内淳一(学習院大学)
筆谷芳行(少年画報社編集)
吉田正高(東北芸術工科大学)

・タイムスケジュール

13:00-13:10 趣旨説明
13:10-13:50 第一報告(松下報告)
13:50-14:00 休憩
14:00-14:40 第二報告(堀内報告)
14:40-15:20 対談(筆谷・吉田)「漫画における「歴史」表現」(仮)
15:20-15:30 休憩
15:30-16:30 総合討論

コミックマーケット83参加のお知らせ

下記の要領でコミックマーケット83に参加いたします。お近くに御寄りの際は足をお運びください。頒布物は『コンテンツ文化史研究』7号および2012年大会予稿集が中心となります。なお、あの人の研究所も参加します。

【日  時】 2012年12月31日(月)
【場  所】 東京有明ビッグサイト
【サークル名】 コンテンツ文化史学会
【配  置】 東地区 ハ – 53 b
【頒 布 物】 『コンテンツ文化史研究』2・3・4・5・6・7号、2012年大会予稿集
【価  格】 『コンテンツ文化史研究』各2000円、予稿集500円
【搬 入 数】 各10〜30部ほど

「コンテンツと記憶」に向けて その5

明日になりました。コンテンツ文化史学会2012年大会が15日・16日と2日間にかけて開催されます。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

ぜひ、ご参加ください。当日になって急に時間ができたので、参加したくなったという方は、事前登録なしでそのまま受付に来てください。

初日はブログでも書きました「場所と記憶」というシンポジウムだけではなく、「いまいち萌えない娘」でお馴染みのいまもえ制作委員会・ディレクター矢野正樹さんに制作秘話をお話いただくことになっています。そう、「萌え」とは何かという根源的な点を今一度我々に考えさせてくれた「いまもえ」は、萌えの記憶という点で非常に重要なキャラクターに違いありません。

2日目は同じくブログに書いてきました「コンテンツとアーカイブ」のシンポジウムとともに、おにたまさんによる特別講演がございます。ソフト開発で著名なおにたまさんですが、アーケードゲームを中心とした昔のゲームの歴史についても非常に詳しい方です。活動の一端は以下のページより、ご覧いただけます。

http://onitama.tv/obsweb/pcb.html

その他、両日に渡って、自由論題・テーマ論題と様々な発表がございます。ぜひ、ご参加ください。それでは、登壇者の皆様も、参加される皆様も、委員の皆様も会場でお会いしましょう。

小説 いまいち萌えない娘

「コンテンツと記憶」に向けて その4

会長「では今度の大会テーマは「コンテンツとアーカイブ」で進めます、委員よ」
委員「断る!」

2行でまとめるとこうなります。委員といいますか、主に私ですが。さて、今回の大会テーマは「コンテンツと記憶」ですが、だらだらとブログで書いてきた内容を見ますと「コンテンツのアーカイブ」という名前でも良いような気がします。こちらのほうがテーマが明確ではないかという意見もあるでしょう。

しかし、アーカイブ化することは全てに適応できるのだろうか。という疑問があります。アーカイブの専門家からみれば、取るに足らない問題かもしれませんが、コンテンツのアーカイブはまだ始まったばかりと言える状況下で体系化されていない事象や事物は多々あるのではないだろうか、という疑問が払拭できずに、「記録」をより広げて「記憶」まで踏み込んでみました。その場合、各地に存在するモニュメントや史跡をめぐる研究や、移動する人々のイメージなども含めつつ、「場所」を軸として、コンテンツをからめながら考えることが出来るのではないだろうかと思いました。

そこで、初日のシンポジウムは「場所と記憶」として開催することになりました。先日、阿佐ヶ谷団地を舞台とした作品『ぼくらのよあけ』を完成させ、現在、『アリスと蔵六』をコミック・リュウに連載されている今井哲也さんを迎えて、クリエーター側が実際の場所を選ぶ際の動機や経緯についてお話いただく予定です。アニメ作品の舞台を訪れる「アニメ聖地巡礼」研究者として名高い岡本健さんをお迎えし、ゾンビ作品と移動性、地理的記憶などを「ゾンビ・ツーリズム」としてお話いただく予定です。そして、ドイツ現代史研究者である柳原伸洋さんとご著書『ニセドイツ』でドイツ文化を紹介されている伸井太一さんには、ノスタルジー研究とからめながら、ドイツイメージについてお話いただく予定です。

あくまで予定です。あと、関係ないですが、『まおゆう』の女騎士の声は沢城みゆきさんがやるのですね。素晴らしい。

そんなコンテンツ文化史学会の大会にご興味をもたれた方は以下から参加登録をお願いします。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンKC)

ニセドイツ〈1〉 ≒東ドイツ製工業品 (共産趣味インターナショナル VOL 2)

「コンテンツと記憶」に向けて その3

(……聞こえますか…コンテンツ文化史学会2012年大会に参加される皆さん、そして委員たちよ…事務局です…あなたの心に…直接…呼びかけています…いますべき事は24日にけいおんが放送されるよねーとか話し合うことでは…ありません…期日前投票です…16日にある衆議院選挙の投票日は大会と重なっているのです…聞こえますか…参加者の皆さんたちよ…… )

ということは結構、まじめな話ではあります。期日前投票には行きましょう。

さて、前回までの更新で「このコレクションは死後どうなりますか問題」を述べましたが、このような個人のコレクションレベルの話だけではありません。2011年、文化庁と国会図書館との間で「我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定」が結ばれ、ようやく国レベルでテレビや音楽、そしてマンガ、アニメ、ゲームのアーカイブ構築の第一歩が築かれることになりました。ようやく、と言いますか、イギリスのゲーム・アーカイブの事例を出すまでもなく、遅いという感想を抱かざるをえません。

しかし、立命館大学におけるゲーム・アーカイブの取り組みや、NPOであるゲーム保存協会の取り組みなど、個別に行われてきたことに対して一つの指標が見られるようになったのは大きいと考えられます。こういう事業は拙速な業績を求めるのではなく、長い目で進めて欲しいと門外漢の立場からの考えです。

2日目のシンポジウムは、ゲームに限らず、アニメ、漫画に関する、より実践的なお話が聞けるに違いありません。興味をもたれた方はぜひ、参加登録をお願いします。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)

映画 けいおん!  (Blu-ray 通常版)

「コンテンツと記憶」に向けて その2

その2です。続きました。さて、テレビでは森高千里が歌っていて、時間の経過を感じますね。ある意味で感じさせない面と感じさせる面と、というのは特に本文と関係ありません。

http://www.contentshistory.org/2012/11/12/1254/

話はオバサンになっているかどうかではなく、今度の本学会の大会です。15日(土)・16日(日)に開催されますので、ご参加を希望される方はぜひ事前登録をお願いします。懇親会もあります。気分は忘年会です。たぶん。

さて、コンテンツのアーカイブです。大会の「コンテンツと記憶」というテーマの一役を担うのがアーカイブの話です。前回のブログでも書きましたが、「俺が死んだらコレクションはどうなる問題」は実は歴史ある問題といいますか、コンテンツに限らなければ、江戸時代から収集家はたくさん存在したわけです。江戸時代においては物産会やら何やらで収集家が物を持ち寄って見せ合うことが多く行われ、長い目で見れば、離散し、と続いてきています。もちろん、そのような歴史的な流れの中で、様々な価値観が醸造されてきたというのも確かです(表智之「〈歴史〉の読出し/〈歴史〉の受肉化」『江戸の思想』7号、1997年)。しかし、近代化の流れの中で「好古」と呼ばれていた活動が、次第に収集や見せ合うだけではなく、展示・研究へと変化していきます(鈴木廣之『好古家たちの19世紀 幕末明治における《物》のアルケオロジー』吉川弘文館、2003年)

学問の近代化の中で、収集・展示も色々と淘汰されていくわけですが、こぼれ落ちていたような気がするのが、マンガやアニメ、ゲームなどのコンテンツではないでしょうか。と思ったのは、実は会長や私やらで少しだけ漫画の整理をしたことがありまして、普遍化されたメタデータ取得の方法では、「漫画」は「漫画」でしかないわけですが、漫画しか整理しない場合はそこからの細分化が必要になっていきます。そこで細かくやっていけばいくほど、デジタル化をしても、他のアーカイブとの連携からはどんどんと遠ざかっていく…というジレンマがありました(玉井建也・吉田正高「大井第一小学校寄贈漫画および児童文学資料について」『社会情報研究資料センターニュース』第21号、2011年)。今は頭のいい人が改善しているかもしれませんし、最先端の実地の取り組みを聞きたい!というのが、今回、裏方として活動する我々の底流にあります。

そこで2日目のシンポジウムは漫画に関して、既に開館している「米沢嘉博記念図書館」や、将来的に開館を目指している「東京国際マンガ図書館」の取り組みについて森川嘉一郎さんにご登壇いただき、お話いただきます。アニメに関しては一般社団法人日本動画協会で活動をされている増田弘道さんにご登壇いただき、動画協会のデータベースWGなどでの調査活動についてお話いただけると思います。ゲームに関しては日本デジタルゲーム学会の理事として活動されている遠藤雅伸さん、そしてご自身のコレクションをゲームミュージアムとして公開されているゲームアイドル杏野はるなさんにご登壇いただき、それぞれの取り組みについてお話いただけるはずです。と私は思っておりますが、実際のシンポジウムは違う話かもしれません。2日目の取りまとめ役は吉田会長ですので。

ザ・シングルス(通常盤)

好古家たちの19世紀―幕末明治における“物”のアルケオロジー (シリーズ・近代美術のゆくえ)